アメリカの品目別貿易黒字ランキング

続いて品目別の黒字ランキングを確認していきます。アメリカにおいて輸出の盛んな品目1位〜5位までです。

品目別貿易黒字1位:石油製品(HS2710)588億ドル

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品目別黒字の1位は石油製品(HS2710)でおよそ588億ドル(約8.2兆円)の黒字です。主にメキシコ・カナダ・オランダ・チリへ石油製品を輸出しています。

原油は赤字の5位にランクインしていましたが、原油を石油製品として付加価値を高めて海外に輸出しています。メキシコやカナダでの経済活動における燃料需要に加えて、工業用の発電や石油化学製品の原料になる等、最終的な製品がアメリカにもたらされる源はアメリカで生産された石油製品が背景にあります。それ以外にも中南米を中心に石油製品の供給源となっています。

品目別貿易黒字2位:石油ガス(HS2711)519億ドル

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品目別黒字の2位は石油ガス(HS2711)でおよそ519億ドル(約7.3兆円)の黒字です。主に日本・カナダ・中国へ石油ガスを輸出しています。

石油ガスについては日本がアメリカからの輸出先として最も多くなっています。プロパンガスと聞けば一般家庭や業務用等で広く流通しており馴染みもありますね。

品目別貿易黒字3位:大豆(HS1201)242億ドル

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品目別黒字の3位は大豆(HS1201)でおよそ242億ドル(約3.4兆円)の黒字です。主に中国・メキシコへ大豆を輸出しています。

大豆は油糧種子ニーズやここ数年で中国での畜産の拡大もあり需要が急拡大しました。そのため中国を中心に輸出金額が増大し、併せて貿易黒字も大きくなっています。大豆の生産には大量の水が必要ということもあり、供給を大きくするには地理的な要因も重要です。

品目別貿易黒字4位:とうもろこし(HS1005)141億ドル

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品目別黒字の4位はとうもろこし(HS1005)でおよそ141億ドル(約2.0兆円)の黒字です。主にメキシコ・日本・コロンビアへとうもろこしを輸出しています。

とうもろこしも大豆同様家畜飼料としての需要が大きく、それ以外にも食用や工業用原料としても利用がされます。近隣のメキシコだけでなく日本や韓国への輸出も盛んです。

品目別貿易黒字5位:石炭(HS2701)138億ドル

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品目別黒字の5位は石炭(HS2701)でおよそ138億ドル(約1.9兆円)の黒字です。主にインド・中国・ブラジル・日本・オランダへ石炭を輸出しています。

石炭は成長著しい国々にとってまだまだ貴重なエネルギー源となります。インド、中国、ブラジルといった国々への輸出だけではなく、原発の課題がある日本への輸出量も大きな金額規模になっています。

アメリカにおける貿易黒字品目の俯瞰図

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アメリカの品目別貿易黒字金額の構造を俯瞰して見てみましょう。第88類の航空機関連製品、第27類の鉱物製燃料が黒字品目における半分以上の割合を占めています。それに加えて第12類の油糧種子や第10類の穀物といった大規模生産されるものも目立った黒字品目と言えるでしょう。

全体として赤字に比べるとかなり黒字品目は少なく、アメリカにおける強みのある産業は大分絞られてしまっているといっても過言ではありません。トランプ大統領が強くしたい製造業はほぼ航空産業しか強みがない状況といえます。

参考データ

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