こんにちは、国際貿易動向を伝えるメディアLanesです。(Xはこちら)今回は電気製品産業の国際貿易データから輸出入の傾向を解説します。この記事をご覧いただくことにより、電気製品産業の国際的な動向の変化を知ることができます。

電気製品産業における傾向と主要な産業をまとめると以下の通りです。

  • 世界の電気製品に関わる製品[第85類 : 電気機器及びその部分品並びに録音機、音声再生機並びにテレビジョンの映像及び音声の記録用又は再生用の機器並びにこれらの部分品及び附属品]の貿易取引金額(輸入金額)は、2004年のおよそ143兆円から、2023年ではおよそ506兆円と20年間で3.54倍に成長しています。
  • 2023年で輸出金額の最も大きい国は中国でおよそ126兆円です。その後香港、台湾が続いています。輸出については中国が圧倒的なシェアを持っています。
  • 2023年で輸入金額の最も大きい国も中国でおよそ77兆円です。その後アメリカ、香港が続いています。
第85類電気製品関連の国際貿易統計概要
第85類電気製品関連の国際貿易統計概要

※本来はドルベースでの比較が良いと思いますが、今回は分かりやすいように日本円に変換しているため、時系列データは為替の影響を含むものになっています。数字の増加や減少傾向はそちらを考慮の上捉えていただければと思います。

※世界の貿易金額の参考地として「輸入金額」をベンチマークしています。これは国内に到着した商品の記録として、正確性が比較的高いと判断するためです。一方で輸入金額はCIF価格ベースで報告されるため、商品自体の価値に加え、輸送費や保険を含めた金額であることに留意くしてください。

※上記のすべての情報は、あくまで参考として善意で提供されており、データや情報が将来にわたって正確であるという保証はありません。情報を利用する際には、ユーザー自身の判断と責任でご利用ください。

世界の輸入金額傾向

世界の電気製品の輸入金額20年推移
世界の電気製品の輸入金額20年推移

電気製品に関わる製品[第85類 : 電気機器及びその部分品並びに録音機、音声再生機並びにテレビジョンの映像及び音声の記録用又は再生用の機器並びにこれらの部分品及び附属品]は、2023年の輸入金額ではおよそ506兆円となっており、HSコードの上2桁[類]の97類中、[第1位]の金額となっています。

また、[第85類 : 電気機器及びその部分品並びに録音機、音声再生機並びにテレビジョンの映像及び音声の記録用又は再生用の機器並びにこれらの部分品及び附属品]の輸入金額は、2004年のおよそ143兆円から、2023年では506兆円と20年間で3.54倍に成長しており、成長率は97類中[第32位]となっています。

主要な輸出国と輸出金額の傾向

電気製品の輸出金額上位5カ国の輸出金額推移
電気製品の輸出金額上位5カ国の輸出金額推移

2023年における輸出金額は1位が中国でおよそ126兆円です。続いて2位香港がおよそ47.1兆円3位台湾が31.2兆円4位アメリカが28.1兆円5位ドイツが26.8兆円となっています。

中国が頭一つ抜け出しており、TOP5の各国と2倍以上の差をつけています。2004年は各国それほど大きく輸出金額は変わっていませんでしたが、全体的な傾向として緩やかに輸出は伸び続けている中でも中国が大きく伸ばした20年間となっています。特にコロナ禍以後は消費がモノに偏ったこともあり急激に金額を伸ばしました。

2023年における電気製品の国別輸出シェア
2023年における電気製品の国別輸出シェア

2023年の輸出金額における各国のシェアです。トップ5の中国、香港、台湾、アメリカ、ドイツで世界の輸出金額の50%を占めています。日本はこのジャンルにおいて、2004年にシェア3位、2014年にシェア8位でしたが、2023年においては3.0%でシェア11位となっています。

主要な輸入国と輸入金額の傾向

電気製品の輸入金額上位5カ国の輸入金額推移
電気製品の輸入金額上位5カ国の輸入金額推移

2023年における輸入金額は1位が中国でおよそ77.1兆円です。続いて2位アメリカがおよそ64.9兆円3位香港が48.3兆円4位ドイツが30.7兆円5位シンガポールが18.4兆円となっています。

輸出金額に続き、輸入金額でも中国がトップとなっており、2010年頃から金額が急激に拡大しています。同様にアメリカも2011年以後の伸びが大きく、香港が「再輸出」に特徴があることを考慮すると、中国とアメリカが2大需要地であると言えるでしょう。

2023年における電気製品の国別輸入シェア
2023年における電気製品の国別輸入シェア

2023年の輸入金額における各国のシェアです。トップ5の国々にメキシコを含めて世界の輸入金額の50%を占めています。輸入の面においても日本は3.2%で9位となっています。

参考:第85類に含まれる項目一覧(HSコード)

8501:電動機及び発電機(原動機とセットにした発電機を除く。)
8502:発電機(原動機とセットにしたものに限る。)及びロータリーコンバーター
8503:第85.01項又は第85.02項の機械に専ら又は主として使用する部分品
8504:トランスフォーマー、スタティックコンバーター(例えば、整流器)及びインダクター
8505:電磁石、永久磁石、永久磁石用の物品で磁化してないもの並びに電磁式又は永久磁石式のチャック、クランプその他これらに類する保持具並びに電磁式のカップリング、クラッチ、ブレーキ及びリフティングヘッド
8506:一次電池
8507:蓄電池(隔離板を含むものとし、長方形(正方形を含む。)であるかないかを問わない。)
8508:真空式掃除機
8509:家庭用電気機器(電動装置を自蔵するものに限るものとし、第85.08項の真空式掃除機を除く。)
851:かみそり、バリカン及び脱毛器(電動装置を自蔵するものに限る。)
8511:火花点火式又は圧縮点火式の内燃機関の点火又は始動に使用する種類の電気機器(例えば、点火用磁石発電機、直流磁石発電機、イグニションコイル、点火プラグ、予熱プラグ及びスターター)並びにこれらの内燃機関に使用する種類の発電機(例えば、直流発電機及び交流発電機)及び開閉器
8512:電気式の照明用又は信号用の機器(第85.39項の物品を除く。)、ウインドスクリーンワイパー及び曇り除去装置(自転車又は自動車に使用する種類のものに限る。)
8513:携帯用電気ランプ(内蔵したエネルギー源(例えば、電池及び磁石発電機)により機能するように設計したものに限るものとし、第85.12項の照明用機器を除く。)
8514:工業用又は理化学用の電気炉(電磁誘導又は誘電損失により機能するものを含む。)及び工業用又は理化学用のその他の機器(電磁誘導又は誘電損失により物質を加熱処理するものに限る。)
8515:はんだ付け用、ろう付け用又は溶接用の機器(電気式(電気加熱ガス式を含む。)、レーザーその他の光子ビーム式、超音波式、電子ビーム式、磁気パルス式又はプラズマアーク式のものに限るものとし、切断に使用することができるかできないかを問わない。)及び金属又はサーメットの熱吹付け用電気機器
8516:電気式の瞬間湯沸器、貯蔵式湯沸器、浸せき式液体加熱器、暖房機器及び土壌加熱器、電熱式の調髪用機器(例えば、ヘアドライヤー、ヘアカーラー及びカール用こて)及び手用ドライヤー、電気アイロンその他の家庭において使用する種類の電熱機器並びに電熱用抵抗体(第85.45項のものを除く。)
8517:電話機(スマートフォン及び携帯回線網用その他の無線回線網用のその他の電話を含む。)及びその他の機器(音声、画像その他のデータを送受信するものに限るものとし、有線又は無線回線網(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN))用の通信機器を含む。)(第84.43項、第85.25項、第85.27項及び第85.28項の送受信機器を除く。)
8518:マイクロホン及びそのスタンド、拡声器(エンクロージャーに取り付けてあるかないかを問わない。)、ヘッドホン及びイヤホン(マイクロホンを取り付けてあるかないかを問わない。)、マイクロホンと拡声器を組み合わせたもの、可聴周波増幅器並びに電気式音響増幅装置
8519:音声の記録用又は再生用の機器
8521:ビデオの記録用又は再生用の機器(ビデオチューナーを自蔵するかしないかを問わない。)
8522:部分品及び附属品(第85.19項又は第85.21項の機器に専ら又は主として使用するものに限る。)
8523:ディスク、テープ、不揮発性半導体記憶装置、スマートカードその他の媒体(記録してあるかないかを問わず、ディスク製造用の原盤及びマスターを含むものとし、第37類の物品を除く。)
8524:フラットパネルディスプレイモジュール(タッチスクリーンが組み込まれているかいないかを問わない。)
8525:ラジオ放送用又はテレビジョン用の送信機器(受信機器、録音装置又は音声再生装置を自蔵するかしないかを問わない。)、テレビジョンカメラ、デジタルカメラ及びビデオカメラレコーダー
8526:レーダー、航行用無線機器及び無線遠隔制御機器
8527:ラジオ放送用の受信機器(同一のハウジングにおいて音声の記録用若しくは再生用の機器又は時計と結合してあるかないかを問わない。)
8528:モニター及びプロジェクター(テレビジョン受像機器を有しないものに限る。)並びにテレビジョン受像機器(ラジオ放送用受信機又は音声若しくはビデオの記録用若しくは再生用の装置を自蔵するかしないかを問わない。)
8529:第85.24項から第85.28項までの機器に専ら又は主として使用する部分品
853:鉄道、軌道、道路、内陸水路、駐車施設、港湾設備又は空港の信号用、安全用又は交通管制用の電気機器(第86.08項のものを除く。)
8531:電気式の音響信号用又は可視信号用の機器(例えば、ベル、サイレン、表示盤、盗難警報器及び火災警報器。第85.12項又は第85.30項のものを除く。)
8532:固定式、可変式又は半固定式のコンデンサー
8533:電気抵抗器(可変抵抗器及びポテンショメーターを含むものとし、電熱用抵抗体を除く。)
8534:印刷回路
8535:電気回路の開閉用、保護用又は接続用の機器(例えば、スイッチ、ヒューズ、避雷器、電圧リミッター、サージ抑制器、プラグその他の接続子及び接続箱。使用電圧が1,000ボルトを超えるものに限る。)
8536:電気回路の開閉用、保護用又は接続用の機器(例えば、スイッチ、継電器、ヒューズ、サージ抑制器、プラグ、ソケット、ランプホルダーその他の接続子及び接続箱。使用電圧が1,000ボルト以下のものに限る。)並びに光ファイバー(束にしたものを含む。)用又は光ファイバーケーブル用の接続子
8537:電気制御用又は配電用の盤、パネル、コンソール、机、キャビネットその他の物品(第90類の機器を自蔵するものを含み、第85.35項又は第85.36項の機器を二以上装備するものに限る。)及び数値制御用の機器(第85.17項の交換機を除く。)
8538:第85.35項から第85.37項までの機器に専ら又は主として使用する部分品
8539:フィラメント電球及び放電管(シールドビームランプ、紫外線ランプ及び赤外線ランプを含む。)、アーク灯並びに発光ダイオード(LED)光源
854:熱電子管、冷陰極管及び光電管(例えば、真空式のもの、蒸気又はガスを封入したもの、水銀整流管、陰極線管及びテレビジョン用撮像管)
8541:半導体デバイス(例えば、ダイオード、トランジスター及び半導体ベースの変換器)、光電性半導体デバイス(光電池(モジュール又はパネルにしてあるかないかを問わない。)を含む。)、発光ダイオード(LED)(他の発光ダイオード(LED)と組み合わせてあるかないかを問わない。)及び圧電結晶素子
8542:集積回路
8543:電気機器(固有の機能を有するものに限るものとし、この類の他の項に該当するものを除く。)
8544:電気絶縁をした線、ケーブル(同軸ケーブルを含む。)その他の電気導体(エナメルを塗布し又は酸化被膜処理をしたものを含むものとし、接続子を取り付けてあるかないかを問わない。)及び光ファイバーケーブル(個々に被覆したファイバーから成るものに限るものとし、電気導体を組み込んであるかないか又は接続子を取り付けてあるかないかを問わない。)
8545:炭素電極、炭素ブラシ、ランプ用炭素棒、電池用炭素棒その他の製品で黒鉛その他の炭素のもの(電気的用途に供する種類のものに限るものとし、金属を取り付けてあるかないかを問わない。)
8546:がい子(材料を問わない。)
8547:電気機器の電気絶縁用物品(成形中に金属製のさ細な部分(例えば、ねじを切つたソケット)を専ら組立てのため組み込んだものを含み、絶縁材料製のものに限るものとし、第85.46項のがい子を除く。)並びに電線用導管及びその継手(卑金属製のもので絶縁材料を内張りしたものに限る。)
8548:機器の電気式部分品(この類の他の項に該当するものを除く。)
8549:電気電子機器のくず