貨物輸送指数(Freight Transportation Index)とは

貨物輸送指数(Freight Transportation Index)は、米運輸省 交通統計局(BTS: Bureau of Transportation Statistics)が公表する有償貨物輸送の物量アウトプット指数(BTS TSI Freight・数量ベース)です。サプライチェーン実務では、足元の需給、コスト、物流、需要環境の変化を早めに捉えるための参照指標として使います。

この指標は、有償(for-hire)貨物輸送の物量アウトプット(ton-mile)を示す指数で、運賃(価格)指数ではありません。トラック・鉄道・内陸水運・パイプライン・航空貨物の各モードを経済的寄与で加重平均し、2000年=100・季節調整済みで表します。

📖 約 5〜7 分で読めます|定義、算出方法、読み方、サプライチェーンへの影響を整理します。

算出ロジック

貨物輸送指数は、米運輸省 交通統計局(BTS)がTransportation Services Index: Freight(TSI Freight・内部系列 TSIFRGHT)を対象に、標準化された統計手法で集計する公的指標です。公表値は有償貨物輸送の物量アウトプット指数(トラック・鉄道・内陸水運・パイプライン・航空を統合、ton-mile ベース、2000年=100・季節調整済み)の動きを示し、単月値だけでなく数カ月の方向感を併せて読むことで実務判断に使いやすくなります。

貨物輸送指数の算出フロー STEP 1 公的機関による調査 調査機関 米運輸省 交通統計局(BTS) 調査内容 Transportation Services Index: Freight(TSI Freight・内部系列 TSIFRGHT) 対象 有償貨物輸送の物量アウトプット指数(トラック・鉄道・内陸水運・パイプライン・航空を統合、ton-mile ベース、2000年=100・季節調整済み) 原データ STEP 2 集計・平均化 調査結果を全国規模で 集計・正規化 有償貨物各モードの ton-mileを加重平均 ↓ 統計値化 単月の代表値を算出 (時系列で連続性確保) 統計値 STEP 3 統計値 公表 公表タイミング 月次で公表(前月以降分) アクセス 公的データベース 各出典の公的DBから取得 貨物輸送指数(公表値)
図: 貨物輸送指数は公的機関の調査結果を集計・平均化して公表される

数値の読み方

項目内容
単位Index
取得期間内のレンジ120.4 〜 140.6 Index(取得期間: 2016 年 2 月〜2026 年 2 月)
注意ライン観測レンジ(120.4〜140.6)の上限・下限に近づく局面では、需給やコスト環境が通常より偏っている可能性があります。
季節性月次データは季節調整の有無を確認し、単月の振れより3カ月程度の方向感を重視します。
改定頻度出典側の更新・改定により過去値が変わる場合があります。更新日と系列定義を併せて確認します。

貨物輸送指数は、単月値だけでなく連続した方向感で読むことが重要です。観測期間では120.4〜140.6 Indexの範囲で推移しています。実務では、直近値が過去レンジのどこにあるか、前月・前年から変化が加速しているか、関連する価格・数量・需要指標と同じ方向を示しているかを確認します。

貨物輸送指数で何が分かるか

貨物輸送指数が照らす階層 上流 原材料・エネルギー(鉱物、農産物、原油、金属など一次産品) 中流 生産・物流(工場の生産活動、海運、納期、在庫の流れ) 貨物輸送指数 下流 在庫・小売(最終在庫、小売販売、消費者支出) マクロ 横断的指標(金利、雇用、為替、消費者物価など全体に効く要因) ※ ハイライト箇所がこの指標の主な対象範囲
図: サプライチェーン階層マップ — 貨物輸送指数は中流に位置

貨物輸送指数はサプライチェーンの中流領域を読むための補助線です。主に生産・受注・在庫・物流など、供給網の運用状態を確認する際に使います。調達、在庫、価格改定、輸送計画、投資判断のどれに影響するかは指標の種類によって異なるため、同じ領域の関連指標と並べて判断するのが実務的です。

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過去の極値と背景

2019 年 8 月: 取得期間内の最高値(月次) 140.6 Index

この水準は、取得できる観測期間の中で貨物輸送指数が最も高かった局面です。高値は、対象領域の需給・コスト・景況感・政策・地政学など複数の要因が重なったときに生じやすいため、同時期のニュースと関連指標を合わせて確認します。

2016 年 3 月: 取得期間内の最低値(月次) 120.4 Index

この水準は、取得できる観測期間の中で貨物輸送指数が最も低かった局面です。低値は、需要・景況感の減速、コスト・供給制約の緩和、政策環境の変化などを反映する場合があります。ただし、低下が必ずしも改善を意味するとは限らないため、関連指標や企業業績と照合して判断します。

上がっているとき/下がっているとき

上がっているとき

貨物輸送指数が上がっているときは、有償貨物の輸送量が増えており、モノの生産・出荷・流通が活発化しているサインです(景気の一致〜やや先行)。工業生産・出荷・在庫や海運指標と合わせて基調を確認します。

下がっているとき

下がっているときは輸送量が減少し、需要・生産の減速や在庫調整を示す可能性があります。出荷・受注など活動量指標と並べて判断します。

他の指標と組み合わせて読む

貨物輸送指数は、EU 製造業在庫水準評価、EU 製造業売上高指数、在庫出荷比率など同じ領域の指標と組み合わせると解釈しやすくなります。先行指標、実績指標、価格指標を並べることで、単なるノイズか構造的な変化かを見分けやすくなります。

  • eu_mfg_inventory — EU 製造業在庫水準評価
  • eu_mfg_turnover — EU 製造業売上高指数
  • inventory_ratio — 在庫出荷比率
  • us_mfg_inventories — 米国 製造業在庫額
  • us_mfg_shipments — 米国 製造業出荷額
  • bdi — バルチック海運指数
  • gscpi — グローバルSC圧力指数
  • jp_inventory — 日本 鉱工業在庫指数
貨物輸送指数の関連指標マップ 貨物輸送指数 本指標 EU 製造業在庫水準評価 eu_mfg_inventory EU 製造業売上高指数 eu_mfg_turnover 在庫出荷比率 inventory_ratio 米国 製造業在庫額 us_mfg_inventories 米国 製造業出荷額 us_mfg_shipments バルチック海運指数 bdi ※ 中心が本指標、周囲は同じステージで定義された関連指標
図: 貨物輸送指数を中心とした関連指標の見取り図

指標の限界と注意点

  • 単独では判断しない: 1つの指標だけでは需給、価格、政策、為替のどれが主因か切り分けられません。関連指標とニュースを併用してください。
  • 公表ラグがある: 米運輸省 交通統計局(BTS: Bureau of Transportation Statistics)の公表タイミングに依存するため、足元の急変は遅れて反映される場合があります。
  • 定義変更・改定に注意: 統計の基準年、調査対象、季節調整、過去値改定によって長期比較の見え方が変わることがあります。
  • 水準と方向を分けて読む: 高水準でも横ばいなら緊張は拡大していない場合があり、低水準でも急上昇なら転換点の可能性があります。

よくある質問

Q. 貨物輸送指数とは何ですか?

A. 貨物輸送指数は、米運輸省 交通統計局(BTS: Bureau of Transportation Statistics)が公表する有償貨物輸送の物量アウトプット指数(BTS TSI Freight・数量ベース)です。この指標は、有償(for-hire)貨物輸送の物量アウトプット(ton-mile)を示す指数で、運賃(価格)指数ではありません。トラック・鉄道・内陸水運・パイプライン・航空貨物の各モードを経済的寄与で加重平均し、2000年=100・季節調整済みで表します。

Q. 貨物輸送指数はどこで公表されていますか?

A. 貨物輸送指数は米運輸省 交通統計局(BTS: Bureau of Transportation Statistics)が公表しています。更新頻度は月次です。公式情報は米運輸省 交通統計局(BTS: Bureau of Transportation Statistics)のページで確認できます。

Q. 数値が上がっているとき・下がっているときの意味は?

A. 貨物輸送指数が上がっているときは、有償貨物の輸送量が増えており、モノの生産・出荷・流通が活発化しているサインです(景気の一致〜やや先行)。工業生産・出荷・在庫や海運指標と合わせて基調を確認します。 下がっているときは輸送量が減少し、需要・生産の減速や在庫調整を示す可能性があります。出荷・受注など活動量指標と並べて判断します。

Q. どの指標と組み合わせて見ると有効ですか?

A. 貨物輸送指数は、EU 製造業在庫水準評価、EU 製造業売上高指数、在庫出荷比率など同じ領域の指標と組み合わせると解釈しやすくなります。先行指標、実績指標、価格指標を並べることで、単なるノイズか構造的な変化かを見分けやすくなります。

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データソースと公開情報

  • 作成者: 米運輸省 交通統計局(BTS: Bureau of Transportation Statistics)
  • 公式情報: 米運輸省 交通統計局(BTS: Bureau of Transportation Statistics)
  • 内部系列 ID: TSIFRGHT
  • 更新頻度: 月次
  • 単位: Index
  • 利用時の注意: データの再利用条件、引用表記、系列定義は各公式サイトの利用規約を確認してください。