食肉産業の国際貿易データ輸出入の傾向解説 | Lanes

こんにちは、国際貿易動向を伝えるメディアLanesです。（Xはこちら）今回は食肉産業の国際貿易データから輸出入の傾向を解説します。この記事をご覧いただくことにより、食肉産業の国際的な動向の変化を知ることができます。

食肉産業における傾向と主要な産業をまとめると以下の通りです。

世界の食肉に関わる製品[第02類：肉及び食用のくず肉]の貿易取引金額（輸入金額）は、2004年のおよそ6.0兆円から、2023年ではおよそ22.6兆円と20年間で3.75倍に成長しています。
2023年で輸出金額の最も大きい国はブラジルでおよそ3.1兆円です。その後アメリカ、オーストラリアが続いています。
2023年で輸入金額の最も大きい国は中国でおよそ3.7兆円です。その後アメリカ、日本が続いています。

第02類肉及び食用のくず肉の国際貿易統計概要

※本来はドルベースでの比較が良いと思いますが、今回は分かりやすいように日本円に変換しているため、時系列データは為替の影響を含むものになっています。数字の増加や減少傾向はそちらを考慮の上捉えていただければと思います。

※世界の貿易金額の参考地として「輸入金額」をベンチマークしています。これは国内に到着した商品の記録として、正確性が比較的高いと判断するためです。一方で輸入金額はCIF価格ベースで報告されるため、商品自体の価値に加え、輸送費や保険を含めた金額であることに留意くしてください。

※上記のすべての情報は、あくまで参考として善意で提供されており、データや情報が将来にわたって正確であるという保証はありません。情報を利用する際には、ユーザー自身の判断と責任でご利用ください。

世界の輸入金額傾向
主要な輸出国と輸出金額の傾向
主要な輸入国と輸入金額の傾向
参考：第02類に含まれる項目一覧（HSコード）

世界の輸入金額傾向

食肉の輸入金額20年推移

食肉に関わる製品[第02類：肉及び食用のくず肉]は、2023年の輸入金額ではおよそ22.6兆円となっており、HSコードの上2桁[類]の97類中、[第26位]の金額となっています。

また、[第02類：肉及び食用のくず肉]の輸入金額は、2004年のおよそ6.0兆円から、2023年では22.6兆円と20年間で3.75倍に成長しており、成長率は97類中[第26位]となっています。

主要な輸出国と輸出金額の傾向

食肉の輸出金額上位5カ国の輸出金額推移

上のグラフは[第02類：肉及び食用のくず肉]の輸出金額ランキングTOP5の国々を示しています。2023年における輸出金額は1位がブラジルでおよそ3.1兆円です。続いて2位アメリカがおよそ3.1兆円、3位オーストラリアが1.7兆円、4位オランダが1.7兆円、5位スペインが1.5兆円となっています。

20年間ブラジルとアメリカが1位の座を競り合っており、2010年以後アメリカが1位をキープしていましたが、2022年からブラジルが1位に返り咲いています。そこから1兆円以上の輸出金額の差が開き、オーストラリア、オランダ、スペインがほぼ同水準で並んでいます。特にスペインは2018年頃から輸出金額を倍近くまで伸ばしています。

2023年における食肉の国別輸出シェア

2023年の輸出金額における各国のシェアです。トップ5のブラジル、アメリカ、オーストラリア、オランダ、スペインで世界の輸出金額の50％を占めています。その後にドイツ、ポーランド、カナダが続きます。

主要な輸入国と輸入金額の傾向

食肉の輸入金額上位5カ国の輸入金額推移

上のグラフは[第02類：肉及び食用のくず肉]の輸入金額ランキングTOP5の国々を示しています。2023年における輸入金額は1位が中国でおよそ3.7兆円です。続いて2位アメリカがおよそ1.7兆円、3位日本が1.4兆円、4位ドイツが1.2兆円、5位フランスが1.0兆円となっています。

輸入金額の1位は2位のアメリカに倍の差をつけて中国となっています。特に中国は2004年までは食肉の輸入金額はおよそ500億円と多くありませんでしたが、徐々に輸入金額を増やしており、2018年頃から急激に輸入を増加させています。それ以外の国々はTop5に入るアメリカ、日本、ドイツ、フランスでも急激に増加している訳ではありません。

全体的な傾向としても輸出と同様にリーマンショック後に一時的な落ち込みがありますが、全体的に緩やかに輸入金額が拡大しています。中でもアメリカの増加率は他国と比較しても急激に成長していることがわかります。