30 秒で見るフィリピンの貿易(2024 年)
フィリピンの 2024 年の総輸出額は 約 551 億ドル、総輸入額は 約 1,239 億ドル、貿易収支は 約 689 億ドルの赤字です(World Bank BoP、BPM6 ベース)。最大輸出相手国は中国(18.4%)、最大輸入相手国は中国(28.9%)です。最大輸出品目は電気機器(HS85、48.26%)、最大輸入品目は電気機器(HS85、18.02%)です(シェアは CEPII BACI HS17 V202601 由来)。
- 総輸出: 約 551 億ドル(WB BoP)
- 総輸入: 約 1,239 億ドル
- 貿易収支: 約 689 億ドルの赤字(2024 年)
- 最大輸出相手: 中国 18.4%(BACI シェア)
- 最大輸入相手: 中国 28.9%(BACI シェア)
- 最大輸出品目: 電気機器 HS85(48.26%)
- 最大輸入品目: 電気機器 HS85(18.02%)
※ 本記事はデータソースを役割分担で使い分けています: 総額・収支・年次推移は World Bank BoP(200+ 国網羅、BPM6 国際標準)を、相手国別 / HS4桁品目別の構造分析は CEPII BACI HS17 V202601(UN Comtrade 調整版、FOB 統一・二国間データ)を用います。BACI と WB BoP は CIF/FOB 調整・報告国/相手国データの調和処理・対象範囲の違いにより総額で差が出ます。差の方向(BACI が大きい / 小さい)と幅は国・年・輸出 / 輸入で大きく異なります(数 % で済む国もあれば、2 割超の差が出る国もあり、当該国の実差は §3 末尾の参考注記を参照)。総額の議論には WB BoP を使い、国別・品目別の構造分析では BACI の二国間ベースの強みを活かす設計です。なお、本文中の金額は読みやすさを優先して「兆ドル / 億ドル」表記、表内は他国記事と精度を揃えるため USD bn(= 10 億ドル) 表記としています。
フィリピンの貿易プロファイル
フィリピンは本記事の集計対象である主要 24 カ国の中で、労働集約的な輸出と中間財・資本財の輸入が並行する成長型の構造を示します(順位は統計定義・年次・基準通貨により変動するため、本記事では絶対値による比較に絞って記述します)。
輸出側の上位 3 章(HS85・HS84・HS71)で総輸出の 約 67%を占め、輸入側は HS85 が単独で 18.0% を占めるなど、特定品目への集中が見られます。
数字で見るフィリピンの貿易構造(2017〜2024)
本節では 総額・収支・年次推移を World Bank BoP(BPM6)で示し、品目構成(9 大分類スタックバー)を BACI HS17 で示す役割分担で読み解きます。フィリピンの貿易収支は 2017〜2024 年で年次変動を伴いながら推移しており、2024 年は約 689 億ドルの赤字でした。
| 年 | 輸出 (USD bn) | 輸入 (USD bn) | 収支 (USD bn) |
|---|---|---|---|
| 2017 | 51.8 | 92.0 | -40.2 |
| 2018 | 52.0 | 102.9 | -51.0 |
| 2019 | 53.5 | 102.8 | -49.3 |
| 2020 | 48.2 | 82.0 | -33.8 |
| 2021 | 54.2 | 107.0 | -52.8 |
| 2022 | 57.7 | 127.4 | -69.7 |
| 2023 | 55.3 | 121.3 | -66.0 |
| 2024 | 55.1 | 123.9 | -68.9 |
輸出/輸入の大分類別構成(2017〜2024)
HS 章を 9 大分類に集計したスタックバーで構成変化を可視化します。総額は上の表(WB BoP)を参照してください。BACI は CIF/FOB 調整や対象範囲の違いにより、WB BoP と総額で差が出ます(参考: フィリピンの 2024 年は BACI 輸出 約 951 億ドル / WB BoP 輸出 約 551 億ドル → BACI が 約 72.7% 大きく、BACI 輸入 約 1,346 億ドル / WB BoP 輸入 約 1,239 億ドル → BACI が 約 8.7% 大きく出ています。差分の方向・幅は国・年で異なります)。
貿易収支の構造分析(誰と・何で稼ぎ、誰に・何で支払うか)
総額(§3)では 2024 年の貿易収支は約 689 億ドルの赤字でしたが、本節では BACI 二国間データで「誰と稼ぎ・誰に支払うか」の構造を分解します。最大黒字相手は香港(約 92 億ドルの黒字)、最大赤字相手は中国(約 215 億ドルの赤字)とインドネシア(約 97 億ドルの赤字)です。最大黒字品目は集積回路(HS8542)の約 135 億ドルの黒字、最大赤字品目は石油及び歴青油、これらの調製品並びに廃油(HS2710)の約 97 億ドルの赤字です。なお、本節 A-D 表の数値は BACI(FOB 調整版)由来のため §3 BoP 表とは数 % 程度差が出ます。
表 A: 黒字 TOP10 相手国
| 順位 | 相手国 | 輸出 | 輸入 | 収支 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 香港 | 11.7 | 2.5 | +9.2 |
| 2 | アメリカ | 14.1 | 8.1 | +6.1 |
| 3 | ドイツ | 4.5 | 2.2 | +2.4 |
| 4 | メキシコ | 2.7 | 0.4 | +2.3 |
| 5 | オランダ | 2.4 | 0.6 | +1.8 |
| 6 | スイス | 1.6 | 0.4 | +1.2 |
| 7 | 日本 | 10.7 | 10.0 | +0.7 |
| 8 | チェコ | 0.5 | 0.1 | +0.4 |
| 9 | イギリス | 1.0 | 0.7 | +0.3 |
| 10 | ポーランド | 0.6 | 0.4 | +0.3 |
表 B: 赤字 TOP10 相手国
| 順位 | 相手国 | 輸出 | 輸入 | 収支 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 中国 | 17.5 | 38.9 | -21.5 |
| 2 | インドネシア | 1.8 | 11.5 | -9.7 |
| 3 | 韓国 | 4.4 | 9.6 | -5.2 |
| 4 | タイ | 3.2 | 8.1 | -4.9 |
| 5 | ベトナム | 1.7 | 5.7 | -4.1 |
| 6 | マレーシア | 2.3 | 6.2 | -3.9 |
| 7 | オーストラリア | 0.7 | 3.3 | -2.6 |
| 8 | シンガポール | 4.1 | 6.3 | -2.1 |
| 9 | ブラジル | 0.3 | 2.2 | -1.9 |
| 10 | サウジアラビア | 0.2 | 2.1 | -1.9 |
表 C: 黒字 TOP10 HS4桁品目
| HS4 | 品目 | 収支 |
|---|---|---|
| 8542 | 集積回路 | +13.5 |
| 8471 | 自動データ処理機械など | +3.2 |
| 7108 | 金 | +3.0 |
| 8473 | 第84.70項から第84.72項までの機械に専らなど | +2.5 |
| 8443 | 印刷機など | +2.0 |
| 8544 | 電気絶縁をした線など | +1.9 |
| 2604 | ニッケル鉱 | +1.9 |
| 8504 | トランスフォーマー、スタティックコンバーター及びインダクター | +1.8 |
| 1513 | やし油、パーム核油及びババス油並びにこれらの分別物 | +1.7 |
| 0803 | バナナ | +1.4 |
表 D: 赤字 TOP10 HS4桁品目
| HS4 | 品目 | 収支 |
|---|---|---|
| 2710 | 石油及び歴青油、これらの調製品並びに廃油 | -9.7 |
| 8703 | 乗用自動車その他の自動車 | -4.7 |
| 2709 | 石油及び歴青油 | -3.5 |
| 2701 | 石炭及び練炭など | -2.6 |
| 1006 | 米 | -2.5 |
| 8704 | 貨物自動車 | -2.1 |
| 2711 | 石油ガスその他のガス状炭化水素 | -2.0 |
| 1001 | 小麦及びメスリン | -1.9 |
| 8517 | 電話機及びその他の機器 | -1.5 |
| 3004 | 医薬品 | -1.5 |
2022 年エネルギー輸入の構造分解
2021 年 約 287 億ドルの赤字 → 2022 年 約 304 億ドルの赤字 と、収支変動幅は 約 17 億ドルです。同期間のエネルギー輸入(HS27)の対前年差分は 約 92 億ドル(2021 年 約 148 億ドル → 2022 年 約 240 億ドル)で、収支変動の 約 536% を説明します。2022 年はロシア・ウクライナ戦争に伴う原油・天然ガス・石炭価格の高騰により、エネルギー輸入額が大きく増えた局面です。なお、BACI の金額データだけでは価格要因と数量要因を厳密には分解できないため、ここでは金額ベースの変化として読み取ります(出典: BACI、CEPII)。
経常収支と 4 構成要素の長期推移(1996〜2024)
経常収支は国際収支マニュアル(BPM6)上、① 貿易収支(BoP ベース)② サービス収支 ③ 第一次所得収支 ④ 第二次所得収支の 4 要素の合算として定義されます。図 4 は World Bank BoP データに基づく、合計(経常収支)と 4 構成要素の長期推移です。
経常収支と 4 構成要素 比較表(2017〜2024)
| 年 | ① 貿易収支 (BoP) | ② サービス収支 | ③ 第一次所得 | ④ 第二次所得 | 合計: 経常収支 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | -40.2 | +8.7 | +3.2 | +26.2 | -2.1 |
| 2018 | -51.0 | +11.6 | +3.7 | +26.8 | -8.9 |
| 2019 | -49.3 | +13.0 | +5.3 | +27.9 | -3.0 |
| 2020 | -33.8 | +13.9 | +4.1 | +27.4 | +11.6 |
| 2021 | -52.8 | +14.0 | +3.3 | +29.5 | -5.9 |
| 2022 | -69.7 | +15.9 | +4.9 | +30.6 | -18.3 |
| 2023 | -66.0 | +18.2 | +4.3 | +31.1 | -12.4 |
| 2024 | -68.9 | +13.9 | +4.7 | +31.7 | -18.6 |
フィリピンの輸出相手国ランキング・輸入相手国ランキング(2024 年)
フィリピンの輸出は 中国(18.4%)とアメリカ(14.9%)の 2 国だけで合計 33%を占めます。輸入側は中国(28.9%)が最大で、インドネシア(8.5%)が続きます。輸出 HHI は 0.095、輸入 HHI は 0.117です。
輸出 TOP10(2024)
| 順位 | 相手国 | シェア | 金額(USD bn) |
|---|---|---|---|
| 1 | 中国 | 18.37% | 17.5 |
| 2 | アメリカ | 14.87% | 14.1 |
| 3 | 香港 | 12.32% | 11.7 |
| 4 | 日本 | 11.27% | 10.7 |
| 5 | ドイツ | 4.78% | 4.5 |
| 6 | 韓国 | 4.63% | 4.4 |
| 7 | シンガポール | 4.33% | 4.1 |
| 8 | タイ | 3.37% | 3.2 |
| 9 | メキシコ | 2.87% | 2.7 |
| 10 | オランダ | 2.52% | 2.4 |
輸入 TOP10(2024)
| 順位 | 相手国 | シェア | 金額(USD bn) |
|---|---|---|---|
| 1 | 中国 | 28.92% | 38.9 |
| 2 | インドネシア | 8.52% | 11.5 |
| 3 | 日本 | 7.46% | 10.0 |
| 4 | 韓国 | 7.10% | 9.6 |
| 5 | タイ | 6.04% | 8.1 |
| 6 | アメリカ | 6.00% | 8.1 |
| 7 | シンガポール | 4.65% | 6.3 |
| 8 | マレーシア | 4.62% | 6.2 |
| 9 | ベトナム | 4.25% | 5.7 |
| 10 | オーストラリア | 2.43% | 3.3 |
フィリピンの輸出品目ランキング・輸入品目ランキング(2024 年)
輸出は HS85・HS84・HS71 の 3 章で総輸出の 約 67%を占めます。一方、輸入は HS85 が単独で 18.0%と突出しています。
輸出 HS 章 TOP10(2024)
| HS | 章名 | シェア | 金額(USD bn) |
|---|---|---|---|
| HS85 | 電気機器 | 48.26% | 45.9 |
| HS84 | 一般機械 | 14.60% | 13.9 |
| HS71 | 貴石・貴金属 | 4.25% | 4.0 |
| HS26 | 鉱石・スラグ | 3.58% | 3.4 |
| HS90 | 光学・精密機器 | 3.17% | 3.0 |
| HS08 | 果実・ナッツ | 2.41% | 2.3 |
| HS74 | 銅・銅製品 | 2.12% | 2.0 |
| HS15 | 動植物性油脂 | 2.09% | 2.0 |
| HS27 | 鉱物性燃料 | 1.78% | 1.7 |
| HS44 | 木材・木製品 | 1.23% | 1.2 |
輸入 HS 章 TOP10(2024)
| HS | 章名 | シェア | 金額(USD bn) |
|---|---|---|---|
| HS85 | 電気機器 | 18.02% | 24.3 |
| HS27 | 鉱物性燃料 | 14.11% | 19.0 |
| HS84 | 一般機械 | 8.72% | 11.7 |
| HS87 | 車両 (鉄道車両以外) | 7.52% | 10.1 |
| HS10 | 穀物 | 3.64% | 4.9 |
| HS39 | プラスチック | 3.55% | 4.8 |
| HS72 | 鉄鋼 | 2.93% | 3.9 |
| HS26 | 鉱石・スラグ | 2.30% | 3.1 |
| HS73 | 鉄鋼製品 | 2.14% | 2.9 |
| HS90 | 光学・精密機器 | 2.08% | 2.8 |
HS4桁詳細 TOP10(2024)
輸出 HS4桁 TOP10
| HS4 | 品目 | シェア | 金額(USD bn) |
|---|---|---|---|
| 8542 | 集積回路 | 23.99% | 22.3 |
| 8471 | 自動データ処理機械など | 4.66% | 4.3 |
| 8473 | 第84.70項から第84.72項までの機械に専らなど | 4.45% | 4.2 |
| 8544 | 電気絶縁をした線など | 3.66% | 3.4 |
| 7108 | 金 | 3.32% | 3.1 |
| 8541 | 半導体デバイスなど | 2.89% | 2.7 |
| 8504 | トランスフォーマー、スタティックコンバーター及びインダクター | 2.81% | 2.6 |
| 8443 | 印刷機など | 2.68% | 2.5 |
| 2604 | ニッケル鉱 | 1.99% | 1.9 |
| 1513 | やし油、パーム核油及びババス油並びにこれらの分別物 | 1.98% | 1.8 |
輸入 HS4桁 TOP10
| HS4 | 品目 | シェア | 金額(USD bn) |
|---|---|---|---|
| 2710 | 石油及び歴青油、これらの調製品並びに廃油 | 7.52% | 9.9 |
| 8542 | 集積回路 | 6.74% | 8.9 |
| 8703 | 乗用自動車その他の自動車 | 3.55% | 4.7 |
| 2709 | 石油及び歴青油 | 2.81% | 3.7 |
| 2701 | 石炭及び練炭など | 2.37% | 3.1 |
| 8517 | 電話機及びその他の機器 | 2.17% | 2.9 |
| 1006 | 米 | 1.89% | 2.5 |
| 8704 | 貨物自動車 | 1.62% | 2.1 |
| 2711 | 石油ガスその他のガス状炭化水素 | 1.52% | 2.0 |
| 1001 | 小麦及びメスリン | 1.42% | 1.9 |
サプライチェーン上の役割
フィリピンのサプライチェーン上の役割は 「労働集約型輸出の供給国 × 中間財・資本財の需要国」として位置付けられます。
世界に供給する財(輸出側): HS4桁詳細で見ると、集積回路(HS8542)24.0%・自動データ処理機械など(HS8471)4.7%・第84.70項から第84.72項までの機械に専らなど(HS8473)4.5% などが輸出の中核を成しています。
依存している輸入元: 輸入の中身は HS4桁で 石油及び歴青油、これらの調製品並びに廃油(HS2710)7.5%・集積回路(HS8542)6.7%・乗用自動車その他の自動車(HS8703)3.6% などが上位を占めています。
過去 8 年の構造変化(2017→2024)
2017 年と 2024 年でシェアが ±1pt 以上動いた相手国を対比しました(輸出シェア基準)。
シェア拡大(+1pt 以上)
- 輸出 シンガポール: 0.00% → 4.33%(+4.33pt)
- 輸出 メキシコ: 0.00% → 2.87%(+2.87pt)
- 輸出 ベトナム: 0.00% → 1.74%(+1.74pt)
- 輸出 スイス: 0.61% → 1.69%(+1.08pt)
シェア縮小(-1pt 以上)
- 輸出 日本: 12.42% → 11.27%(-1.15pt)
- 輸出 香港: 14.56% → 12.32%(-2.25pt)
- 輸出 中国: 25.09% → 18.37%(-6.72pt)
リスクと依存度
- 最大輸入相手への依存: 中国 が輸入の 28.9% を占め、続く インドネシア (8.5%) と合わせると上位 2 国で総輸入の 37% に達します。
- 輸入 HHI 0.117: 輸出 HHI 0.095 と比較すると輸入側で集中度が高い構造です。
- HS4桁単一品目の集中: 最大輸入品目 HS2710 は総輸入の 7.5% を占めており、価格変動・供給途絶の影響を受けやすい構造となっています。
- 海上輸送ルートの依存: 中東エネルギー(ホルムズ海峡)・中国/ASEAN(マラッカ海峡)・米州(パナマ運河)・欧州(スエズ運河)等の主要海上要衝への依存があり、海運障害リスクの影響を受けます。
合わせて読みたい指標
各国の貿易動向を読み解く際に並行して見ると有効な指標解説ガイドです:
- 原油(WTI / Brent) — 鉱物性燃料の輸出入・エネルギー収支を読む基準
- LNG(アジア・JKM) — LNG 貿易と国際ガス価格環境の補助指標
- 米国 10 年国債利回り / FF 金利 — 米ドル金利・ドル相場・新興国資金フローの基準指標
- USD/EUR・USD/JPY 為替 — 主要相手国との為替環境
- GSCPI(グローバル SC 圧力指数) — 物流・需給・在庫圧力を含む供給網全体の逼迫指標
- 銅 / 鉄鉱石 / HRC — 製造業・建設・自動車サプライチェーンの原材料コスト
- BDI / コンテナ運賃 — 海上輸送コストと物流制約の補助指標
よくある質問(FAQ)
Q. フィリピンの貿易収支は黒字ですか、赤字ですか?
A. 赤字です(2024 年)。本記事の §1-§3 総額は World Bank BoP(BPM6)を用い、輸出 約 551 億ドル / 輸入 約 1,239 億ドル / 収支 約 689 億ドルの赤字です。なお §4 以降の二国間 / 品目別分析は CEPII BACI(FOB 調整版)を用いるため、WB BoP の総額とは差が出ます(差の幅は国・年で大きく異なるため、当該国の実差は §3 末尾の参考注記を参照)。ただし、相手国別・品目別の構造分析の方向性は変わりません。「黒字 / 赤字」を語る際は必ず統計の出典を明記してください。
Q. BACI データと税関統計は何が違いますか?
A. BACI(CEPII 提供)は UN Comtrade 由来の二国間・品目別貿易データを国際比較可能に調整したデータベースで、輸入 CIF から運賃・保険料を推計除去してFOB ベースに統一し、輸出国側報告と輸入国側報告の差を調和させる設計です。一方、各国の税関統計は通関ベース(輸出 FOB / 輸入 CIF、現地通貨建て)で、国内政策・税収把握に最適化されています。本記事は両方を併用: 総額・収支・年次推移は World Bank BoP、二国間 / HS4桁構造分析は BACI、と役割分担しています。
Q. フィリピンの最大の輸出品目は何ですか?
A. 2024 年の BACI ベースでは、HS85が総輸出の 48.26% で最大です。
Q. フィリピンの最大の輸入品目は何ですか?
A. HS85です。2024 年の BACI ベースで総輸入の 18.02% を占めます。
Q. フィリピンの最大の輸出相手国はどこですか?
A. BACI 2024 ベースでは中国(18.4%)です。なお、税関統計の年次・基準通貨によって首位が入れ替わる可能性があるため、断定する場合は出典を明記してください。
データソースと注記
- 公式データソース: 総額・収支・年次推移は World Bank BoP、相手国別 / HS4桁品目別の構造分析は CEPII BACI HS17 V202601(UN Comtrade 調整版)を参照しています
- 役割分担方式の採用: 本記事は 総額・収支・年次推移を World Bank BoP(BPM6、200+ 国網羅)、二国間 / HS4桁品目分析を CEPII BACI HS17(FOB 調整、集計対象は主要 24 カ国だが起点国の貿易相手国は概ね全件捕捉)と役割分担した 2 ソース構成です。それぞれ異なる定義 / 用途のため、絶対値は数 % 〜 数十 % 異なりますが、構造分析の方向は概ね一致します
- BACI と WB BoP の差: BACI は輸入 CIF を運賃・保険料の推計除去で FOB に統一する設計のため、輸入総額は WB BoP(FOB ベースだが税関統計に近い)と異なります。また、報告国 / 相手国データの調和処理や対象範囲の違いから、輸出側にも差が出ます。差の方向(BACI が大きい / 小さい)と幅は、国・年・輸出 / 輸入で大きく異なります(例: 2024 年は中国輸入で約 26%、日本輸入で約 4% の差)。当該国・当該年の実差は §3「輸出/輸入の大分類別構成」末尾の参考注記を参照してください
- BACI の公表ラグ: BACI は通常 1〜2 年遅れで公表されるため、最新確定年は 2024 年です。2025 年以降の動向は別データソース(各国税関速報等)で補完が必要となります
- HS4桁集計の対象範囲: 本記事の HS4桁集計は 1 レコード(reporter × partner × HS4)あたり 100 万 USD 以上を対象としています。総額(TOTAL)・HS2章別合計・HS2由来の 9 大分類構成は全件集計のためこのフィルタの影響を受けません。HS4桁由来の数値(§4 表 C/D、§6 の HS4桁詳細、§7・§8 の HS4桁単一国シェア)のみ影響範囲です。主要 HS 章での欠落は通常 1% 未満です
- HS4桁単一国依存シェアの上振れバイアス: HS4桁ベースの単一国依存シェアは、上記の集計範囲(100 万 USD 以上)により小規模 partner(1M 未満の tail)が分母から外れるため、実態より 1〜2 pp 高く出る方向にわずかな上振れバイアス があります。絶対値ではなく相対的な依存構造として読み取ってください
- HS6桁以上の細分化は別途必要: HS4桁にはタイプ別(HV / EV / メモリ / ロジック等)の混在があり、タイプ別の分析には HS6桁データが必要です
- サービス貿易の中身は対象外: §4 で扱うサービス収支は WB BoP の合計値のみで、知財使用料・観光・金融・通信などの内訳分析は本記事の範囲外です
- USD 建ての為替影響: 通貨安局面ではドル建ての縮小と実数量変化が乖離する可能性があります
💡 主要 24 カ国の二国間貿易フローを世界地図で読み解く — Supply Chain Intelligence の貿易フローマップなら、相手国別・HS 品目別の貿易構造を地図と時系列チャートで確認できます。ゲストモードでマップを見る →
フィリピンを含む主要 24 カ国の貿易フローマップ
Supply Chain Intelligence の貿易フローマップは、CEPII BACI HS17 データ(2017〜2024 年)をもとに、主要 24 カ国の二国間貿易を世界地図上で可視化するツールです。輸出入の切替、HS 章別・品目別(HS4 / HS6)のドリルダウン、相手国別シェアの円グラフ、年次推移チャートを一画面で操作できます。
- ✅ 世界地図上の二国間貿易フロー可視化(輸出↑ / 輸入↓ 切替)
- ✅ HS 章別・HS4 / HS6 品目別のドリルダウン
- ✅ 相手国別シェアの円グラフ + 年次推移チャート(2017〜2024 年)
- ✅ 主要 24 カ国を reporter として切替(無料登録で全機能解放)
- ✅ 出典: CEPII BACI HS17(UN Comtrade 調整版・FOB 統一)