こんにちは、国際貿易動向を伝えるメディアLanesです。(Xはこちら)今回は砂糖産業の国際貿易データから輸出入の傾向を解説します。この記事をご覧いただくことにより、砂糖産業の国際的な動向の変化を知ることができます。
砂糖産業における傾向と主要な産業をまとめると以下の通りです。
- 世界の砂糖に関わる製品[第17類:糖類及び砂糖菓子]の貿易取引金額(輸入金額)は、2004年のおよそ2.4兆円から、2023年ではおよそ9.9兆円と20年間で4.20倍に成長しています。
- 2023年で輸出金額の最も大きい国はブラジルでおよそ2.2兆円です。その後タイ、インドが続いています。ブラジルが世界の輸出金額シェア23.8%と圧倒的なシェアを誇ります。
- 2023年で輸入金額の最も大きい国はアメリカでおよそ9,700億円です。その後中国、インドネシアが続いています。
※本来はドルベースでの比較が良いと思いますが、今回は分かりやすいように日本円に変換しているため、時系列データは為替の影響を含むものになっています。数字の増加や減少傾向はそちらを考慮の上捉えていただければと思います。
※世界の貿易金額の参考地として「輸入金額」をベンチマークしています。これは国内に到着した商品の記録として、正確性が比較的高いと判断するためです。一方で輸入金額はCIF価格ベースで報告されるため、商品自体の価値に加え、輸送費や保険を含めた金額であることに留意くしてください。
※上記のすべての情報は、あくまで参考として善意で提供されており、データや情報が将来にわたって正確であるという保証はありません。情報を利用する際には、ユーザー自身の判断と責任でご利用ください。
世界の輸入金額傾向
砂糖に関わる製品[第17類:糖類及び砂糖菓子]は、2023年の輸入金額ではおよそ9.9兆円となっており、HSコードの上2桁[類]の97類中、[第49位]の金額となっています。
また、[第17類:糖類及び砂糖菓子]の輸入金額は、2004年のおよそ2.4兆円から、2023年では9.9兆円と20年間で4.20倍に成長しており、成長率は97類中[第18位]となっています。
主要な輸出国と輸出金額の傾向
上のグラフは[第17類:糖類及び砂糖菓子]の輸出金額ランキングTOP5の国々を示しています。2023年における輸出金額は1位がブラジルでおよそ2.2兆円です。続いて2位タイがおよそ6,300億円、3位インドが6,000億円、4位ドイツが5,600億円、5位中国が4,200億円となっています。
ブラジルは世界最大の砂糖生産地であり輸出国です。2004年から輸出金額を7倍に増やしており、世界の砂糖需要の増加に対して最大の供給地となっています。2位から5位までは輸出金額水準としてはほぼ同程度で、5,000億円前後の輸出金額となっています。
2023年の輸出金額における各国のシェアです。トップ5のブラジル、タイ、インド、ドイツ、中国に加えて、フランスも含めて世界の輸出金額の50%を占めています。中でもブラジルは23.8%と世界のほぼ1/4の輸出金額シェアを占めています。
主要な輸入国と輸入金額の傾向
上のグラフは[第17類:糖類及び砂糖菓子]の輸入金額ランキングTOP5の国々を示しています。2023年における輸入金額は1位がアメリカでおよそ9,700億円です。続いて2位中国がおよそ5,400億円、3位インドネシアが4,700億円、4位ドイツが3,900億円、5位イギリスが3,300億円となっています。
輸入金額については2004年頃より欧米諸国は相対的に高い金額水準で、中国とインドネシアはいずれも300億円台となっていました。しかし、生活水準の高まりとその人口の多さにより、15倍の成長を見せて輸入量がそれぞれ2位、3位となっています。
2023年の輸入金額における各国のシェアです。アメリカをはじめとした15カ国で世界の輸入金額の50%を占めていますが、砂糖という製品の品質上、多くの国々で流通しており、輸入金額に顕著な偏りはありません。
参考:第17類に含まれる項目一覧(HSコード)
1701:甘しや糖、てん菜糖及び化学的に純粋なしよ糖(固体のものに限る。) |
1702:その他の糖類(化学的に純粋な乳糖、麦芽糖、ぶどう糖及び果糖を含むものとし、固体のものに限る。)、糖水(香味料又は着色料を加えてないものに限る。)、人造はちみつ(天然はちみつを混合してあるかないかを問わない。)及びカラメル |
1703:糖みつ(砂糖の抽出又は精製の際に生ずるものに限る。) |
1704:砂糖菓子(ホワイトチョコレートを含むものとし、ココアを含有しないものに限る。) |