釜山港(プサンこう)は大韓民国の最南東端、釜山広域市に位置する韓国最大の貿易港です。対馬海峡に面した深い天然の良港で、古くから日本や中国との交易拠点として発展してきました。1876年に開港した歴史を持ち、2004年に設立された釜山港湾公社(Busan Port Authority, BPA)が港の管理運営を担っています。現在では世界屈指のコンテナ港として知られ、2023年のコンテナ取扱量は約2,315万TEUに達し世界第7位にランクされています。これは韓国全体のコンテナ貨物の実に7割以上(約76.8%)を占める規模であり、釜山港は韓国経済の物流の大動脈として極めて重要な役割を果たしています。

本記事では、釜山港の基本情報や機能、アジア貿易における役割について解説し、日本の主要港湾との比較や日本側の戦略的対応についても考察します。普段港に馴染みの無い方にもわかりやすいよう専門用語も丁寧に説明し、図表や具体例を交えながら釜山港の特徴と重要性を論説調でまとめます。

1. 釜山港の基本情報(規模・世界ランキング・管理体制)

【俯瞰】釜山港の位置
【俯瞰】釜山港の位置

釜山港は韓国第2の都市・釜山に位置し、日本の九州にも近い地理的利点を持つ港湾です。地図で見ると釜山湾は陸に囲まれた入り江状の地形で、対馬(長崎県)の北西約150kmに位置しています。港は南北に広がる形で、旧市街地側の北港・南港エリアと、市街地から西方約25kmに造成された新港エリアに大きく分かれます。釜山港は1876年に国際貿易港として開港し、その後も韓国の玄関港として発展してきました。釜山港湾公社(BPA)は2004年に設立された政府出資の公企業で、港湾の開発・運営を一元的に管理しています。この公社による統一的な管理体制は、各ターミナルの調整や設備投資の迅速化に寄与しています。

コンテナ取扱量の規模は韓国国内で群を抜いており、世界ランキングでもトップクラスです。2023年の取扱量は約2,315万TEUとなり、上海港・シンガポール港などに次いで世界第7位に位置付けられています。ちなみにTEU(Twenty-foot Equivalent Unit)とは20フィートコンテナ換算個数のことで、コンテナ貨物の取扱量を示す指標です。釜山港は2019年時点で約2,200万TEUを扱っており、近年も微増傾向が続いています。これは日本最大の港と比べても桁違いの規模です。例えば東京港の2022年の取扱量は約493万TEU、横浜港が約298万TEU、名古屋港が約268万TEUであり、釜山港は単体でこれら日本主要港を合計したよりもはるかに多くのコンテナを処理しています。

2022年における釜山港と日本主要港(東京・横浜・名古屋)のコンテナ取扱量比較
2022年における釜山港と日本主要港(東京・横浜・名古屋)のコンテナ取扱量比較

表: 2022年における世界の港のコンテナ取扱量比較(単位:百万TEU)。表から明らかなように、釜山港(左端)は東京港・横浜港・名古屋港と比べて圧倒的に多いコンテナを取り扱っている。世界トップクラスのハブ港である釜山港の規模が、日本の主要港と比べて桁違いであることがわかるでしょう。

また釜山港は韓国の物流ハブとして国内外の貨物を集約する役割も担います。韓国は貿易依存度(貿易額/GDP比)が8割を超える貿易立国で、その輸出入貨物の99%以上を海上輸送に依存しています。釜山港単独で韓国国内コンテナ流通の約76.8%を処理しており、特に外国間を結ぶトランシップ貨物の97%が釜山港を経由しています。こうした実績から、釜山港は2015年以来世界第2位のトランシップ港(積み替えハブ港)としての地位も維持しています。つまり釜山港は韓国の産業のみならず、他国間の中継拠点としても機能しているのです。

釜山港の船舶寄港のトレンド
釜山港の船舶寄港のトレンド
釜山港の輸出入TEUのトレンド
釜山港の輸出入TEUのトレンド

2. アジアのハブ港としての機能と強化策(港湾再開発・自動化・航路網)

釜山港はアジア地域におけるハブ港(Hub Port)として、世界各地への基幹航路が集まる結節点の役割を果たしています。その機能強化のため、韓国政府と釜山港湾公社は積極的な港湾再開発と設備投資を進めてきました。代表的なのが釜山新港(Busan New Port)の開発です。釜山新港は市街地中心部から離れた西側の空港近くに新たに建設された港湾エリアで、2006年に部分開業しました。従来、釜山市街地に隣接する北港・南港では手狭になり超大型船への対応も困難だったため、新港に深水バース(大型船対応の岸壁)や広大なコンテナヤードを整備し、港湾機能を大幅に拡張したのです。現在まで釜山新港は段階的に拡張を続けており、2019年時点で24バース(船席)だったものが、最終的な事業完了時には合計57バースに達する計画です。さらに新港の西側には鎮海新港という追加の港湾用地開発も進行中で、2022年に建設着工しています。

設備面で特筆すべきはコンテナターミナルの自動化です。釜山港はアジアでも先進的に港湾オペレーションのデジタル化・スマート化を推進しています。その象徴が世界最先端の完全自動化ターミナルの導入です。2024年4月、釜山新港の第7埠頭(ターミナル)が稼働を開始しましたが、これは韓国で初のフルオートメーション・ターミナルとなりました。岸壁のガントリークレーンからヤード(荷さばき場)までリモート制御・無人化されたシステムを導入しており、人手による荷役に比べ生産性を最大20%向上させ、安全事故のリスクも大幅に低減できるとされています。実際、この新ターミナル稼働により釜山港全体の処理能力はさらに高まり、前年(2023年)のコンテナ取扱量が過去最高の2,275万TEUを記録しています。自動化により労働生産性を上げつつ、安全で効率的な港湾運営を実現する取り組みは、釜山港が「世界最高水準のスマートポート」を目指す戦略の一環です。

航路ネットワークの面でも、釜山港は拡充策を講じています。韓国政府は釜山港を名実ともにグローバルハブ港とするため、「グローバルハブ港建設戦略」を策定し大規模投資を決定しました。2024年12月には総額14兆ウォン(約1兆円)規模の投資計画が発表され、2045年までに釜山港の港湾施設を世界トップ3にふさわしい規模へ拡張する方針が示されています。具体的には、新たに鎮海新港を含めた統合開発を進め、現在40バース程度のコンテナバースをさらに26バース増設して合計66バース体制(世界最大級)とする計画です。これにより2045年時点で年間3,966万TEUもの処理能力を確保し、世界第3位の取扱規模を目指すとしています。この拡張にあわせて、新港では同一ターミナル内で海運アライアンス貨物を一括処理できる単一オペレーター制を導入する予定です。複数の船会社連合が寄港する大規模港では、埠頭会社が分散しているとターミナル間の積み替え(ITT: Inter-Terminal Transshipment)による非効率が生じますが、釜山港では運営を集約化することでこうしたムダを排除しようというわけです。加えて港湾背後地にはサッカー場500面分に相当する巨大物流団地を造成し、グローバル物流企業を誘致する計画も進んでいます。これにより港周辺での貨物集積・加工・保管の機能を強化し、港の付加価値サービスを高める狙いがあります。

環境面でも釜山港は最新の取り組みを行っています。2050年カーボンニュートラル港湾を掲げ、2030年代には港内エネルギーの50%以上を再生可能エネルギーで賄い、2050年までに100%再生エネ化する計画です。岸壁での船舶への陸上電力供給設備(AMP)の整備や、水素・アンモニア燃料など次世代燃料の供給インフラ構築も進められています。これらは気候変動への対応のみならず、世界の港湾で競争力を保つためのスマートポート・グリーンポート戦略の一環です。シンガポールや中国の主要港もこぞって自動化・環境投資を進める中、釜山港も積極的に最新技術を取り入れ、アジア有数のハブ港としての地位を磐石にしようとしています。

3. アジア物流再編の中での釜山港の立ち位置と背景

近年、アジアにおける物流ネットワークは大きく再編されています。その背景には、中国沿岸部のメガポート(上海港・寧波舟山港・深圳港など)の台頭、海運同盟(アライアンス)の再編成、船舶の大型化、さらに地政学的リスクや保護主義の高まりによるサプライチェーン変動など複数の要因があります。こうした変化の中で、釜山港は東アジア地域のハブ港として独自の地位を築いてきました。

一つの要因は日本発着貨物の取り込みです。1990年代以降、日本の港湾は国内経済の低成長や製造業の海外移転の影響を受け、国際海上コンテナ航路の寄港が減少傾向にありました。大型コンテナ船は効率追求のため寄港地を絞り込み、日本の地方港への直接寄港を避けて主要ハブ港に集中する動きが強まったのです。その結果、日本からの輸出入コンテナ貨物が一旦韓国・釜山や中国の港で積み替えられてから長距離航路に載せられるケースが増加しました。実際、釜山港経由で輸送される日本発着コンテナ貨物は年々増え、2021年には約172万TEUに達しています。これは日本の港から海外に出るコンテナの約1割に相当し、数量では中国系港湾経由に次ぐ第2位のシェアです。つまり現在の日本のサプライチェーンにおいて、釜山港が重要な中継拠点となっていることが分かります。

図: 日本発着コンテナ貨物の約1割が釜山港でトランシップされていることを示す推移グラフ(2001~2022年)。棒グラフは釜山港における日本発着コンテナの積替個数、グレー線は日本の外貿コンテナ総取扱量に占める割合(右目盛)です。2021年には日本発着コンテナの約10%が釜山港で積替えられており、釜山港が日本の海上輸送網の一翼を担っている実態がわかります。近年の日韓関係改善に伴い貿易環境も好転しつつあり、今後この傾向が続けば日本と釜山港の結びつきはますます強まる可能性があります(※2023年前半の日韓貿易額は半導体需要減などで前年同期比▲12.8%減と一時的に落ち込みましたが、両国は互いに主要な貿易相手国であり長期的な結びつきは依然強固です)。

釜山港が日本など周辺国の積替需要を取り込めた背景には、韓国側の戦略もあります。1990年代から韓国政府は港湾運営の民営化や規制緩和を進め、港湾利用コストの削減や税制優遇策を実施しました。例えば港湾の荷役料金引き下げ、港湾後背地の物流用地賃貸料の大幅値下げなどにより、釜山港を使う経済的メリットを高めたのです。また釜山港湾公社(BPA)による統一運営の下、世界の主要船社(海運企業)に対して積極的な営業活動を行い、航路誘致に努めました。その結果、海運同盟のハブ港としてアジア主要航路を誘致することに成功し、基幹航路数ではシンガポールや上海に次ぐ規模を維持しています。実際、2022年時点で北米向け定期航路は週41本が釜山港に寄港しており、東京・横浜の京浜港(週15本)や大阪・神戸の阪神港(週7本)を大きく上回っています。欧州向け航路でも週13本が釜山に寄港し、日本の京浜港(週2本)を大きくリードしています。このように釜山港は中国・東南アジアと並ぶ東アジアのハブ港として、再編が進むアジア物流ネットワークの中で存在感を高めているのです。

さらに地政学的な観点でも、釜山港の立ち位置は注目されます。韓国政府は「保護主義の台頭や地域紛争によるサプライチェーン不確実性の高まり」が港湾産業にとって危機であると同時に、新たな機会でもあると捉えています。たとえばロシア・ウクライナ情勢による物流寸断や、パンデミック下での船舶スケジュール乱れなどの事態に対し、釜山港は高い定時運航率とフィーダー網で対応し信頼性を示しました。また米中貿易摩擦などでサプライチェーンの組み替えが進む中、韓国は釜山港を軸に新たな物流ルートのハブとなることを目指しています。韓国政府は釜山港の競争力強化を国家戦略と位置付け、世界各地(東南アジア、欧州、米国東西岸)に自国企業向けの海外物流拠点を設けるなど、釜山港を起点としたグローバル物流網の拡大策も講じています。このようにアジア物流の再編局面において、釜山港は時代の変化を捉えて自らを強化し、東アジアのハブとしての地位を確固たるものにしつつあります。

4. 日本の主要港(東京・横浜・名古屋)との比較

次に、釜山港と日本の主要コンテナ港との比較を見てみましょう。日本の代表的な国際貿易港である東京港・横浜港・名古屋港はいずれもコンテナ取扱量で国内上位を占める港湾ですが、単独の規模では釜山港に遠く及びません。2022年のコンテナ取扱量は釜山港が約2,208万TEUであるのに対し、東京港約493万TEU、横浜港約298万TEU、名古屋港約268万TEUと大きな開きがあります。東京港と横浜港を合わせた京浜港湾地域でも年間約802万TEUですから、釜山港の3分の1程度に留まります。取扱貨物量の世界ランキングでも、日本の港湾でトップの東京港ですら40位台(2022年で世界第42位)であり、釜山港(7位)との差は歴然です。

インフラ面でも釜山港は日本の港より規模が大きく近代的です。釜山新港には水深16m以上の大型岸壁が整備され、20,000TEUを超える世界最大級のコンテナ船も受け入れ可能です。2024年に稼働した完全自動化ターミナルのように先端技術の導入も進んでいます。一方、日本の主要港でも大水深バースの整備は進められてきましたが、例えば東京港・横浜港(京浜港)では水深16m級の岸壁は一部に限られ、大型船は未だ寄港制限を受ける場合があります。また日本では自動化ターミナルの導入は限定的で、例えば名古屋港の「自働化ターミナル」(有人監視型の自動化)など部分的な試みはあるものの、釜山のようなフルオートメーションは本格的には実現していません。労働力人口の減少や物流DXの必要性から、日本でも近年AIや遠隔操作クレーンの導入が議論されていますが、現時点で自動化の度合いは釜山港が先行しています。

航路数とハブ機能の比較では、その差がさらに明確です。釜山港は前述の通り多数の基幹航路が寄港するハブ港で、北米・欧州航路の週次寄港回数は日本の主要港を大きく上回ります。日本の国際コンテナ航路は、かつては横浜港や神戸港が東洋一の港と言われるほど賑わいましたが、現在ではそれらの港に直接寄港する遠洋定期船は大幅に減少しました。2021年時点で、日本の京浜港・阪神港への基幹航路寄港回数は2010年比で半減しており、多くの船会社が日本寄港の代わりに釜山港などへの寄港を選択しています。このため日本の港湾は域内フィーダー港化が進み、欧米向けの長距離輸送では釜山港やシンガポール港などを経由せざるを得ない状況が生まれています。一方の釜山港は日本や東シベリア、東南アジア各地からフィーダー船で貨物を集約し、それらを大型本船に積み替えて欧米へ送り出すハブ&スポーク体制を確立しています。このネットワークの充実度で釜山港は日本の港を凌駕しており、事実上、東北アジアのゲートウェイ港として機能しています。

港湾運営の体制にも違いがあります。釜山港は釜山港湾公社の下、港全体を統括的に運営しています。一方、日本の港湾は自治体や民間ターミナル運営会社ごとに分散管理されてきました。ただし日本も近年は統合に舵を切っており、2015年には京浜港(東京・横浜・川崎)と阪神港(大阪・神戸)が国際コンテナ戦略港湾に指定され、各地域で港湾公社を設立して一体運営を目指していますmof.go.jp。例えば横浜港と川崎港は経営統合され「横浜川崎国際港湾株式会社」として運営されるようになりましたmlit.go.jp。しかし東京港は依然東京都所管のままで統合から外れるなど、実質的な一元運営には課題も残りますcontainer-ec.jp。この点、釜山港は港湾公社の強力なリーダーシップでハード・ソフト一体の施策を実行できており、戦略的な港湾経営がしやすい環境と言えます。

以上のように、規模・設備・航路・運営体制のあらゆる面で、釜山港は日本の主要港に対して優位性を持っています。これは日本にとって大きな脅威であると同時に、後述するような港湾政策の見直しを迫る要因ともなっています。

5. コンテナ物流とハブ&スポーク戦略における釜山港の強み

釜山港がこれほど発展した背景には、コンテナ船のハブ&スポーク戦略に適合した地理的・経営的強みがあります。ハブ&スポークとは、ハブ(車輪の中心軸)となる拠点港に貨物を集約し、そこからスポーク(車輪のスポーク)に当たる地域港へ分配する物流モデルです。巨大コンテナ船を効率よく運航するには、できるだけ少ない港に寄港して一度に大量の積み卸しを行う方が良いため、世界的にハブ港集中の傾向が強まりました。このとき地域の中核拠点となる港がハブ港であり、釜山港はまさに東アジアのハブ港の一つに成長したのです。

釜山港の強みの一つは、その地理的な利点です。釜山は日本列島と中国大陸の中間に位置し、両者から等距離圏内にあります。日本から見ると最も近い海外の大港湾であり、東京湾や大阪湾から釜山までは海運で数日程度です。そのため日本各地の港からフィーダー船(小型幹線船)で釜山に貨物を集め、大型船に積み替えて欧米へ輸送するといったスキームが取りやすいのです。また釜山港は日本海(東海)と東シナ海の結節点にもあたり、ロシア極東や東南アジア方面との中継地としても便利なロケーションです。「地理的ハブ性」は釜山港の大きなアドバンテージと言えます。

第二に、港湾サービスの競争力があります。前述のように韓国政府と釜山港湾公社はコスト低減策や迅速な港湾整備で釜山港の利便性を高めました。コンテナターミナルの処理能力が高く、24時間稼働による高い効率性も船会社にとって魅力です。実際、港湾の効率性ランキング(世界銀行等によるコンテナ港パフォーマンス指数など)で釜山港は上位に名を連ねています。さらに物流拠点としての付加価値サービスも充実しており、港の周辺には保税倉庫や物流センターが数多く立地しています。港湾背後地の釜山新港国際産業物流都市には世界的なフォワーダー(貨物取扱業者)や物流企業が進出しており、海上輸送から保管・流通加工・陸上輸送まで一貫したサービスが提供可能です。このように「船会社にとって使いやすく、荷主にとっても利便性が高い港」である点が、釜山港の強みと言えます。

第三に、多彩な航路ネットワークそのものが強みとなっています。釜山港には2つの役割があります。ひとつは船会社の視点での「航路のハブ」、もうひとつは荷主(貨物を出す企業)の視点での「物流のハブ」です。前者として釜山港は主要航路の結節点となり、船会社同士の提携(アライアンス)が組むシャトルの結合地点として機能します。後者として釜山港は、多国間のサプライチェーン上の中継拠点となり、荷主企業が貨物を預けて分配・保管する場として機能します。釜山港はこの両面のハブ機能を有することで、トランシップ貨物(積替貨物)を積極的に集める戦略を明確に掲げています。結果、東アジアの国際フィーダー網において釜山港は欠かせない存在となり、特に日本・ロシア極東・東南アジアの地域港から多数のフィーダー航路が釜山に就航しています。これは「ネットワークがネットワークを呼ぶ」好循環を生み、釜山港のハブとしての地位を一層強固なものにしています。

例えば、日本と欧米を結ぶサプライチェーン上での釜山港の役割を考えてみましょう。日本企業が欧米へ製品を輸出する際、かつては横浜港や神戸港から直接遠洋定期船に積み込むルートが主流でした。しかし現在では、地方港から小型船で釜山港に送り、釜山港で大型船に積み替えて欧米へ輸送する方が主流になりつつあります。これは輸送コスト所要日数の観点で合理的な場合が多いためです。実際、一部のケースでは釜山港経由と日本国内港経由で欧米向けに出荷した場合、輸送日数に大きな差が生じた例もあります。2021年10月には、物流逼迫の影響も重なり釜山経由と日本直航経由で最大50日もの輸送日数差が発生したとの報告もあり、日本の荷主のサプライチェーンに影響を与えました。このようにハブ&スポーク戦略の下では、釜山港経由が最適解となるシナリオが少なくないのです。

以上をまとめると、釜山港の強みは(1)地理的優位、(2)港湾効率とサービス競争力、(3)広域航路ネットワークにあります。これらが相まって釜山港は東アジアのコンテナ物流において圧倒的存在感を示し、世界有数のハブ港として機能しているのです。

6. 釜山港の経済波及効果(韓国内産業への影響・外資誘致・雇用創出)

釜山港の発展は韓国経済に大きな波及効果をもたらしています。まず直接的な効果として、貿易拡大による国内産業の成長が挙げられます。韓国は自動車、電子機器、石油化学製品などの輸出大国ですが、それら製品の大半は釜山港から積み出されています。釜山港の充実した設備と効率的な物流は、韓国製造業が安価かつ迅速に世界市場へ製品を輸送することを可能にし、韓国企業の国際競争力を下支えしています。例えば、自動車メーカーは釜山港近郊に完成車専用ターミナルを設け、大量の自動車を一度に積み出すことで物流コストを削減しています。また半導体や電子機器などコンテナで運ばれる工業製品も、釜山港の高頻度の航路ネットワークを通じて短いリードタイム(輸送所要日数)で欧米市場に届けられています。このように釜山港は韓国の輸出産業を支えるロジスティクス基盤として機能し、その存在が産業競争力強化に直結しているのです。

次に、外資誘致と地域経済活性化の効果があります。釜山港のハブ港化に伴い、世界各国の海運・物流関連企業が釜山への進出を果たしています。港湾背後地には多くの外資系物流企業や多国籍企業のディストリビューションセンターが置かれ、これらは地域への投資と雇用を生み出しています。韓国政府は釜山港周辺を釜山・鎮海自由経済区に指定し、税制優遇や規制緩和を通じて海外企業を誘致してきました。その結果、例えば中東のDPワールド社が釜山新港のターミナル運営に参画したり、欧州・アジアの大手船会社が釜山港に合弁ターミナルを設立するなど、グローバル資本の誘致に成功しています。さらに韓国政府は釜山港の海外展開戦略として、東南アジアや欧州に韓国系の物流センターを設置し、釜山港利用企業の海外事業を支援する施策も展開しています。これは釜山港の利用価値を高めると同時に、海外での韓国企業プレゼンス向上にもつながっています。

そして雇用創出への影響も見逃せません。釜山港そのものが巨大な雇用の受け皿です。港湾労働者、オペレーター、管理スタッフから港湾運送業、通関士、倉庫業、トラック輸送業まで、港に関わる雇用者数は数万人規模と推定されます。また港湾関連のサービス業や飲食・小売なども含めると地域全体での雇用波及効果は非常に大きく、釜山広域市の経済を支える柱となっています。釜山港の発展に伴い、良質な雇用機会が地域に増加し、人材が集積する効果もあります。例えば港湾物流分野の専門人材育成機関が設立され、若者の研修や雇用マッチングを支援する取り組みも行われています。また釜山市は毎年「優秀雇用創出企業」を選定し支援するなど、港湾関連企業による雇用拡大を後押ししています。このように釜山港は地域経済に活力を与え、地元住民の雇用と所得を創出する存在となっています。

さらに付随的な経済効果として、関連産業の波及があります。港湾の需要に応じて造船業や船舶修繕業、海洋機器産業なども発展します。実際、釜山・蔚山地域は世界有数の造船クラスターであり、大型港湾を背景に造船所への部材輸送や完成船の引き渡しも円滑です。また港湾観光やクルーズ客船の寄港も地域経済に寄与しています。釜山港には国際旅客ターミナルも整備され、日本や中国からのフェリー・クルーズ旅客が多数訪れ観光消費をもたらしています。このように釜山港は物流のみならず人の交流拠点としても機能し、地域のサービス産業に恩恵を与えています。

総じて、釜山港の経済波及効果は(1)輸出入物流の円滑化による産業競争力向上、(2)海外企業・資本の誘致による投資増加、(3)直接・間接雇用の創出という形で現れています。釜山港は単なる貨物の出入口ではなく、地域・国家経済の発展エンジンとして大きな役割を果たしているのです。

7. 日本にとっての競争的課題と戦略的対応(国際コンテナ戦略港湾政策など)

釜山港の隆盛は、日本にとって大きな競争上の課題を突きつけています。かつてアジア随一と謳われた日本の国際港湾(横浜港や神戸港など)は、現在では釜山港や中国主要港の陰に隠れ、ハブ港としての地位を失いつつあります。日本からの積み替え貨物が釜山港に流出している現状は前述の通りで、日本の港湾業界には「このままでは国内の国際物流基盤が空洞化する」との危機感が広がっています。

こうした状況に対応するため、日本政府は2010年前後から国際コンテナ戦略港湾政策を推進しています。これは限られた資源を重点港湾に投入し、日本版ハブ港を育成する政策で、2010年に京浜港(東京・横浜・川崎)と阪神港(大阪・神戸)の2港湾地域を戦略港湾に指定しました。具体的施策としては「集貨(国内外から貨物を集める)」「創貨(港湾背後地に産業を集積して新たな貨物流れを創出する)」「競争力強化(ハード・ソフト両面で港湾サービスを向上させる)」の3本柱が掲げられました。この最終取りまとめでは、港湾運営会社の統合集約や港湾設備の大型化、料金引き下げなど大胆な改革が提言されています。

実際、日本政府と港湾管理者はその後いくつかの対策を実行しました。まずハード面の投資では、京浜港・阪神港において水深16m以上の大水深コンテナターミナル整備が加速しました。これにより2万TEU級の超大型コンテナ船でも直接寄港可能な岸壁が増え、航路誘致の土台を整えました。また老朽クレーンの更新やヤード拡張など設備近代化も進めています。ソフト面では、港湾手続の迅速化・ICT化が図られました。税関・検疫などのワンストップサービス化や、コンテナ予約・トレーラー予約のデジタルプラットフォーム構築などにより、港湾利用者の利便性向上を目指しています。さらにコスト競争力強化のため、港湾使用料の値下げやインセンティブ制度も導入されました。一例として、国土交通省と港湾公社が連携して外国航路を誘致する際、寄港開始から一定期間の係留料減免措置などを講じています。

周辺交通網の整備も重要な課題です。日本では港湾と背後圏を結ぶ道路・鉄道インフラの能力不足が指摘されています。慢性的な渋滞や物流ボトルネックを解消するため、首都圏・阪神圏では臨港道路や高速道路網の拡充が行われています。例えば東京港では臨海部と内陸を結ぶ東京外かく環状道路(湾岸道路)の整備が進み、コンテナトラックの輸送時間短縮が期待されています。また名古屋港では港と高速道路を直結する連絡橋を新設する計画があります。鉄道に関しても、コンテナ列車の増発や新規貨物線の整備など、環境負荷低減と効率化を両立する取り組みが検討されています。これら周辺インフラ整備は港湾のハブ機能強化に不可欠であり、日本政府は総合的な物流ネットワーク戦略の中で港湾と陸上交通の接続改善に力を入れています。

しかし日本にとって最大の課題は、構造的な貨物不足(荷動きの低迷)にあります。日本経済の成熟化や人口減少により、国内から生まれる輸出貨物は伸び悩んでいます。またアジアから北米向けの中継貨物も、日本の港ではなく釜山港や中国港を利用される現状があります。こうした中で日本の港が生き残るには、「創貨」すなわち港湾を核とした新たな産業集積によって物流需要そのものを創り出す必要があります。政府は京浜港・阪神港の臨海部に国際物流拠点を設け、メーカーの組立工場や大規模配送センターを誘致する試みを行っています。また港湾と産業を融合させた港湾産業団地を形成し、そこで付加価値物流(流通加工や組立)の拠点化を図る動きもあります。このように港そのものに新しい役割を持たせていくことが、日本の港湾再興のカギとされています。

さらに、日本は釜山港との協調と競争のバランスも模索しています。日韓関係が改善してきた昨今、両国の物流協力も進展しつつあります。例えば釜山港と日本の港の間でシャトルフィーダー便を増強し、短距離海運(ショートシーシッピング)の効率化を図る計画があります。また環日本海経済圏構想の中で、釜山港と日本海側の港湾を結ぶネットワーク強化の議論もあります。一方で日本としては、自国の基幹航路を回復させ国内港湾に直接貨物を呼び戻すことも諦めていません。「基幹航路維持・拡大」を掲げ、東南アジアから日本経由で北米に向かう新航路の実証実験を行うなど、戦略港湾への誘致策も講じています。例えば2024年には東南アジア発北米向け貨物を神戸港で一旦積み替え、日本発の基幹航路として北米に送る試みが発表されました。こうした施策が奏功すれば、釜山港への過度な一極集中を是正し、日本の港湾にも一定の国際ハブ機能を取り戻せる可能性があります。

総じて、日本は釜山港という強力な競争相手に直面しつつ、選択と集中による港湾競争力強化策を進めています。その柱は(1)戦略港湾への集中的投資と統合運営、(2)ハード・ソフト両面での効率化投資、(3)産業政策と連動した新規貨物流入の創出です。これらを通じて日本の国際港湾ネットワークの地位向上を図り、東アジアの海上輸送における存在感を維持しようと努めています。しかしながら、依然として釜山港との差は大きく、日本の港湾戦略は正念場を迎えていると言えるでしょう。

8. 関連する最新動向と具体例

最後に、釜山港および日韓物流に関する最近のニュースや動向をいくつか紹介します。

  • 釜山港の完全自動化ターミナル稼働(2024年4月): 前述の通り、2024年4月に釜山新港第7ターミナルが開業し、韓国初のフルオートメーション港湾として稼働を開始しました。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領も出席した開所式では、釜山港を世界的なスマート港湾・物流ハブに飛躍させる画期的施設だと称賛されています。このターミナルは韓国製の遠隔操作クレーンを備え、従来ターミナル比で20%の生産性向上が期待されています。安全面でも人手作業を減らすことで労災リスクを低減し、将来的な無人化・省力化モデルとして国内外から注目を集めています。
  • 釜山港大規模拡張計画の発表(2024年12月): 韓国海洋水産部は2024年末、前述した「グローバルハブ港建設戦略」を正式発表しました。これは2045年までに釜山港+鎮海新港を統合し、世界3位規模の取扱量とする国家プロジェクトです。投資総額は14兆ウォン(約9.7億ドル)にも及び、釜山港を超大型船30,000TEU級が同時に複数停泊できるメガポートへと進化させる計画です。具体策として、鎮海新港の段階的建設(第1段階9バースは単一運営者に一括委託)、シンガポールの最新港(Tuas港)に匹敵する66バース体制の確立、海外主要ハブ港への出資参画(米国東西岸や欧州のターミナル権益取得)などが盛り込まれています。この発表は世界の海運業界でも話題となり、韓国が釜山港を軸に激化する港湾間競争を勝ち抜く強い意志を示したものと受け止められています。
  • 日韓貿易の最近の動向: 2019年には日韓間で貿易管理を巡る対立が生じ、一部品目で輸出規制措置が取られるなど両国貿易に緊張が走りました。しかし2022年以降、日韓関係は改善に向かい、2023年には相互の輸出管理措置が緩和・解除されるなど経済関係の正常化が進んでいます。これに伴い日韓間の物流も円滑化しつつあり、2024年には日本を含む環太平洋経済連携協定(CPTPP)への韓国加盟検討など、貿易拡大への機運も高まっています。統計上、直近の貿易額は世界経済の変動要因もあり上下していますが、韓国税関庁のデータでは2023年の韓日双方向の貿易額は766億5千万ドルに達しています。これは中国・米国に次ぐ規模で、日本にとって韓国は依然重要な貿易相手国です。釜山港には日本向け定期フェリー航路も複数あり、人流・物流の交流拡大が期待されます。2025年には関西・九州方面と釜山港を結ぶ新規RORO船(大型フェリー)の就航計画も報じられており、域内輸送の強化も図られています。日韓両国は競争関係にありつつも経済的な相互依存が大きく、港湾分野でも共存共栄の余地を探る動きが出てきています。
  • 国際博覧会と港湾再開発: 釜山広域市は2030年国際博覧会(万博)の開催地に立候補していました(※最終的に開催地はサウジアラビア・リヤドに決定)。誘致活動を通じて、旧市街地側の北港再開発や港湾の魅力向上策が検討されました。例えば北港地区にクルーズ拠点や海洋文化施設を整備し、市民や観光客が海に親しめるウォーターフロント開発を推進する計画です。万博誘致自体は実現しなかったものの、釜山港周辺の都市インフラ改善や観光振興策は今後も継続される見通しです。日本側でも大阪湾岸で2025年大阪・関西万博が予定されており、大阪港周辺の再整備が進んでいます。こうした大規模イベントに合わせた港湾地域開発は、港のイメージアップや新たな需要喚起につながると期待されています。

以上のように、釜山港とそれを取り巻く環境は常に動いています。技術革新への対応、大規模投資計画の推進、国際関係の変化など、最新の動向を敏感に捉えながら港湾戦略を練ることが重要です。釜山港はアジア物流のダイナミズムを象徴する存在として、今後も進化を続けていくでしょう。それに対峙する日本の港湾がどのように戦略を展開し競争力を維持していくのかも、大いに注目されるところです。

おわりに

釜山港はその立地条件、積極的な政策介入、大胆な設備投資によって、東アジア屈指のハブ港へと成長しました。日本を含む周辺国の貨物を集約し、世界へ送り出すゲートウェイとして機能する姿は、まさに現代の海上物流の縮図とも言えます。一方、日本の港湾は釜山港との競争に晒されつつも、戦略的施策により活路を見出そうとしています。

皆さんにとっても、釜山港の動向や港湾間競争の行方は他人事ではありません。私たちの身の回りの製品がどのような経路で運ばれてくるのか、その背後には各国の港湾が熾烈な競争と協力を繰り広げていることをご理解いただけたでしょうか。釜山港の事例からは、インフラ整備と経済政策がいかに産業振興に直結するか、そしてグローバル時代において物流ハブを確保することの重要性が読み取れます。

今後、世界経済の重心が変化し新たな物流ルートが生まれる中で、釜山港も日本の港湾もさらなる変革を迫られるでしょう。例えばデジタルトランスフォーメーションやカーボンニュートラルへの対応など、新たな課題もあります。しかし互いに切磋琢磨し革新を続けることが、アジア全体の物流効率と経済発展に寄与するはずです。釜山港がこれからも東アジアの物流の要として活躍するのか、日本の港湾が巻き返しを図るのか、その動向から目が離せません。港湾戦略の行方は、グローバル経済の行方とも深く結びついているのです。

このように釜山港の特徴と重要性、日本との比較を見てきましたが、世界の物流は絶えず進化しています。ぜひ引き続き港湾や海運のニュースに注目し、グローバルな視点で経済活動を捉える一助としていただければ幸いです。

引用

Decades of Growth at Port of Busan(NASA)
https://www.earthobservatory.nasa.gov/images/92703/decades-of-growth-at-port-of-busan

港湾:国際コンテナ戦略港湾政策の概要(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/kowan/kowan_tk2_000002.html

日本の港湾統計(国交省 PDF)
https://www.mlit.go.jp/statistics/details/content/001517678.pdf

スライド資料:港湾関連(JPMAC)
https://www.jpmac.or.jp/file/1726636376451.pdf

韓国政府公式プレスリリース(Korea.net)
https://www.korea.net/Government/Briefing-Room/Press-Releases/view?articleId=7734&type=O&insttCode=

釜山港 – Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Port_of_Busan

Busan Port Authority – Korean-made Port Cranes Initiative
https://sustainableworldports.org/project/busan-port-authority-korean-made-port-cranes-initiative/

South Korea’s Busan Port Launches First Automated Container Terminal(Maritime Executive)
https://maritime-executive.com/article/south-korea-s-busan-port-launches-first-automated-container-terminal

釜山港の世界第3位拡張計画(TradeWinds)
https://www.tradewindsnews.com/ports/south-korea-to-expand-busan-port-into-world-s-third-largest-with-10bn-investment/2-1-1752604

釜山トランシップの増加で荷主が取るべきアクション(Shippio)
https://service.shippio.io/report/2023korea

2023年4月 日韓貿易レポート(Sinoimex)
https://www.sinoimex.com/cn/countryreport?title=2023%E5%B9%B44%E6%9C%88%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%92%8C%E9%9F%A9%E5%9B%BD%E5%8F%8C%E8%BE%B9%E8%B4%B8%E6%98%93%E6%A6%82%E5%86%B5&key=country&c=%E6%97%A5%E6%9C%AC&sw=&p=13

「自働化」で躍進!名古屋港(東洋経済)
https://toyokeizai.net/articles/-/570462

東京港と横浜港の違い(Container EC)
https://container-ec.jp/blog/tokyo-yokohama

財務省資料:関税・外国為替審議会資料(PDF)
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/customs_foreign_exchange/sub-of_customs/proceedings_customs/material/202201004/kana20221004siryo2.pdf

Busan City Selects 15 Companies as Excellent Job Creation Companies
https://www.busan.go.kr/eng/ai-translated-press-releases/1686208
https://talent-tl.com/busan-city-selects-15-companies-as-2024-excellent-job-creation-companies/

国内の港湾の現状と今後の方向性(三井住友銀行 PDF)
https://www.smbc.co.jp/hojin/report/investigationlecture/resources/pdf/3_00_CRSDReport077.pdf

日本のコンテナ航路拡大に向けた報告書(DBJ PDF)
https://www.dbj.jp/upload/investigate/docs/126e136bc87745786d52de26377a205a.pdf

日本港湾コンサルタント|仕事内容紹介
https://www.jportc.co.jp/recruit-info/consult

中日韩:経済一体化の可能性と課題(搜狐)
https://www.sohu.com/a/781849795_121123752