こんにちは、国際貿易動向を伝えるメディアLanesです。(Twitterはこちら)今回は、日本の衣料品輸入傾向について紹介します。この記事をご覧いただくことにより、日本の衣料品輸入の現状と市場の成長率を理解いただくことができます。

  • 衣料品の市場変化に関心のあるビジネスパーソンの方々
  • 日本の輸入動向に関心のある方々
  • 市場の変化にご関心のある新規事業やビジネス開発の方々

に喜んでいただける記事になっています。それでは詳細を見ていきましょう。

データの概要

今回取り扱うのは、輸入統計品目における、

第61類 衣類及び衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)

HS61類には以下の項目が含まれています。

  • 6101:男子用のオーバーコート、カーコート、ケープ、クローク、アノラック(スキージャケットを含む。)、ウインドチーター、ウインドジャケットその他これらに類する製品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限るものとし、第61.03項のものを除く。)
  • 6102:女子用のオーバーコート、カーコート、ケープ、クローク、アノラック(スキージャケットを含む。)、ウインドチーター、ウインドジャケットその他これらに類する製品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限るものとし、第61.04項のものを除く。)
  • 6103:男子用のスーツ、アンサンブル、ジャケット、ブレザー、ズボン、胸当てズボン、半ズボン及びショーツ(水着を除く。)(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 6104:女子用のスーツ、アンサンブル、ジャケット、ブレザー、ドレス、スカート、キュロットスカート、ズボン、胸当てズボン、半ズボン及びショーツ(水着を除く。)(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 6105:男子用のシャツ(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 6106:女子用のブラウス、シャツ及びシャツブラウス(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 6107:男子用のパンツ、ズボン下、ブリーフ、ナイトシャツ、パジャマ、バスローブ、ドレッシングガウンその他これらに類する製品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 6108:女子用のスリップ、ペティコート、ブリーフ、パンティ、ナイトドレス、パジャマ、ネグリジェ、バスローブ、ドレッシングガウンその他これらに類する製品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 6109:Tシャツ、シングレットその他これらに類する肌着(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 6110:ジャージー、プルオーバー、カーディガン、ベストその他これらに類する製品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 6111:乳児用の衣類及び衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 6112:トラックスーツ、スキースーツ及び水着(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 6113:衣類(第59.03項、第59.06項又は第59.07項のメリヤス編物又はクロセ編物から製品にしたものに限る。)
  • 6114:その他の衣類(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 6115:パンティストッキング、タイツ、ストッキング、ソックスその他の靴下類(段階的圧縮靴下(例えば、静脈瘤症用のストッキング)及び履物として使用するもの(更に別の底を取り付けてないものに限る。)を含むものとし、メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 6116:手袋、ミトン及びミット(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 6117:その他の衣類附属品(製品にしたもので、メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)及び衣類又は衣類附属品の部分品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)

データソースには2015年1月までは国連COMTRADE統計のデータを、2015年1月以降は日本の財務省貿易統計を利用しています。

貿易金額の10年間のトレンド

2023年の金額データでランキング:

  • 6,094億3,080万円 – 6110:ジャージー、プルオーバー、カーディガン、ベストその他これらに類する製品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 2,927億9,550万円 – 6109:Tシャツ、シングレットその他これらに類する肌着(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 1,662億3,240万円 – 6104:女子用のスーツ、アンサンブル、ジャケット、ブレザー、ドレス、スカート、キュロットスカート、ズボン、胸当てズボン、半ズボン及びショーツ(水着を除く。)(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 1,185億4,420万円 – 6115:パンティストッキング、タイツ、ストッキング、ソックスその他の靴下類(段階的圧縮靴下(例えば、静脈瘤症用のストッキング)及び履物として使用するもの(更に別の底を取り付けてないものに限る。)を含むものとし、メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 802億3,700万円 – 6103:男子用のスーツ、アンサンブル、ジャケット、ブレザー、ズボン、胸当てズボン、半ズボン及びショーツ(水着を除く。)(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 745億7,680万円 – 6108:女子用のスリップ、ペティコート、ブリーフ、パンティ、ナイトドレス、パジャマ、ネグリジェ、バスローブ、ドレッシングガウンその他これらに類する製品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 605億3,300万円 – 6106:女子用のブラウス、シャツ及びシャツブラウス(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 585億420万円 – 6105:男子用のシャツ(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 574億9,900万円 – 6116:手袋、ミトン及びミット(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 570億7,090万円 – 6107:男子用のパンツ、ズボン下、ブリーフ、ナイトシャツ、パジャマ、バスローブ、ドレッシングガウンその他これらに類する製品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 239億7,720万円 – 6111:乳児用の衣類及び衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 206億7,450万円 – 6102:女子用のオーバーコート、カーコート、ケープ、クローク、アノラック(スキージャケットを含む。)、ウインドチーター、ウインドジャケットその他これらに類する製品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限るものとし、第61.04項のものを除く。)
  • 203億4,400万円 – 6114:その他の衣類(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 154億4,800万円 – 6117:その他の衣類附属品(製品にしたもので、メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)及び衣類又は衣類附属品の部分品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 115億910万円 – 6101:男子用のオーバーコート、カーコート、ケープ、クローク、アノラック(スキージャケットを含む。)、ウインドチーター、ウインドジャケットその他これらに類する製品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限るものとし、第61.03項のものを除く。)
  • 100億6,570万円 – 6112:トラックスーツ、スキースーツ及び水着(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
  • 51億7,810万円 – 6113:衣類(第59.03項、第59.06項又は第59.07項のメリヤス編物又はクロセ編物から製品にしたものに限る。)
Check Point

2023年の日本の衣料品輸入は、ジャージーやプルオーバーなどが最も高い金額を示し、約6,094億円に達しました。Tシャツ等の肌着が約2,928億円で続き、女子用のスーツ等が約1,662億円、靴下類が約1,185億円、男子用のスーツ等が約802億円と続きます。これらの項目が衣料品輸入全体の大部分を占めています。

10年間の変化率で市場の変化を読む

2013年から2023年の増加率TOP3:

  • 6113:衣類(第59.03項、第59.06項又は第59.07項のメリヤス編物又はクロセ編物から製品にしたものに限る。)
    • – 2013年の26億380万円から2023年の51億7,810万円へ、98.87%増加
  • 6103:男子用のスーツ、アンサンブル、ジャケット、ブレザー、ズボン、胸当てズボン、半ズボン及びショーツ(水着を除く。)(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
    • – 2013年の419億3,780万円から2023年の802億3,700万円へ、91.32%増加
  • 6116:手袋、ミトン及びミット(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
    • – 2013年の425億7,130万円から2023年の574億9,900万円へ、35.07%増加
Check Point

この10年間で、衣類(第59.03項、第59.06項又は第59.07項のメリヤス編物又はクロセ編物から製品にしたもの)、男子用のスーツ等、手袋・ミトン・ミットの輸入金額が大幅に増加しました。特に衣類(第59.03項、第59.06項又は第59.07項のメリヤス編物又はクロセ編物から製品にしたもの)の伸び率は98.87%と際立っています。2013年に約26億円だった輸入金額が、2023年には約52億円にまで拡大しました。男子用のスーツ等と手袋・ミトン・ミットも、それぞれ91.32%、35.07%の高い増加率を示しています。

2013年から2023年の減少率TOP3:

  • 6106:女子用のブラウス、シャツ及びシャツブラウス(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
    • – 2013年の1,146億4,880万円から2023年の605億3,300万円へ、47.20%減少
  • 6111:乳児用の衣類及び衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
    • – 2013年の256億6,650万円から2023年の239億7,720万円へ、6.58%減少
  • 6114:その他の衣類(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
    • – 2013年の248億9,540万円から2023年の203億4,400万円へ、18.28%減少
Check Point

一方、女子用のブラウス・シャツ・シャツブラウス、乳児用の衣類及び衣類附属品、その他の衣類(メリヤス編み又はクロセ編みのもの)の輸入金額は減少しました。女子用のブラウス・シャツ・シャツブラウスは2013年に約1,146億円あった輸入金額が、2023年には約605億円まで落ち込み、47.20%の大幅な減少率を示しています。乳児用の衣類及び衣類附属品は6.58%、その他の衣類(メリヤス編み又はクロセ編みのもの)は18.28%の減少率となりました。

まとめ

日本の衣料品輸入は、この10年間で大きな変化が見られました。ジャージーやプルオーバー、Tシャツ等の肌着、女子用のスーツ等、靴下類が主要な輸入品目となっており、全体的に増加傾向にあります。特に、衣類(第59.03項、第59.06項又は第59.07項のメリヤス編物又はクロセ編物から製品にしたもの)、男子用のスーツ等、手袋・ミトン・ミットの輸入金額は大幅に増加しました。

一方で、女子用のブラウス・シャツ・シャツブラウス、乳児用の衣類及び衣類附属品、その他の衣類(メリヤス編み又はクロセ編みのもの)は減少傾向にあります。

今後の市場動向を見極めるには、以下の点に注目すべきでしょう。

  1. ファッショントレンドの変化:消費者の嗜好やライフスタイルの変化に伴い、輸入衣料品の需要も変化します。最新のファッショントレンドを的確に捉え、適切な商品構成を維持することが重要です。
  2. 環境意識の高まりによる影響:近年、環境意識の高まりから、サステナブルファッションへの関心が高まっています。環境に配慮した素材や製造方法を採用した衣料品の需要が拡大する可能性があります。
  3. 貿易環境の変化:為替レートの変動や貿易協定の改定など、国際的な貿易環境の変化が衣料品輸入に影響を及ぼす可能性があります。主要な輸出国の動向や貿易政策の変更には注意が必要です。

日本の衣料品輸入は、ファッショントレンドや環境意識の高まりなどを背景に、今後も変化が予想されます。消費者ニーズを的確に捉えた商品開発と、環境配慮型商品の拡充により、さらなる市場の拡大が期待できるでしょう。同時に、国際的な貿易環境の変化にも注視し、適切な調達戦略を立てることが重要です。変化の激しい市場環境の中で、日本企業には的確な情勢分析と柔軟な対応力が益々求められるでしょう。