こんにちは、海運と経済をつなぐメディアLanesです。(Twitterはこちら)今回は海運業界/経済動向の観点で、6月にTwitterで取り上げたLanes的注目トピックをランキング形式で振り返っていきたいと思います。

Lanesでの記事は業界のまとめや動向を、ファクト情報を調査/整理してお届けするボリューミーな記事が多いですが、Twitterの方では日々のニュースをベースにできるだけ新しい気づきが生まれるようツイートしていますので、是非そちらもチェックしてみてください。

なお、本ランキングはあくまでも筆者目線であり、重要度順ではない旨ご理解ください。それでは、ランキングを見ていきましょう!

第5位:海運業界の国際展示会”ポシドニア”4年ぶりの開催

世界最大級の海運展示会であるポシドニア2022が6月6日に開幕し同10日まで開催されました。ポシドニアは2020年新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け中止となっていましたが、今回ギリシャのアテネで4年ぶりの開催となりました。日本の企業も多数出展した模様です。

もちろん最大の注目は脱炭素化。燃料だけでもアンモニア、水素、メタンと様々な選択肢があるなかで、船舶への投資はまだまだ慎重な様子。ただ、ポシドニアの開催はオフライン接点の再開の高らかな宣言であることは間違いないでしょう。

第4位:上海のロックダウンが解除に

上海のロックダウン解除に胸を撫で下ろした人も多いのではないでしょうか。3月28日から丸2ヶ月間続いたロックダウンは物流の混乱を拡大させた元凶でした。ただ、ロックダウン後もコロナの感染拡大が起き、中国がゼロコロナの方針を変えない限りは、いつまたロックダウンの可能性があるかもわかりません。

第3位:海上運賃の高騰続く

上海のロックダウンも関連し、物流の継続的な混乱は歴史的な海上運賃の高騰を招いています。この傾向は拍車が掛かる一方で収まる気配を見せません。7月に入ってからは各種オペレーターの業績はさらに好調となり、各社が上方修正を発表するほどとなりました。これが第2位の話題にも繋がっていきます。

第2位:バイデン米大統領、海運運賃の引き上げ法案に署名

歴史的な海上運賃の高騰を受け、バイデン米大統領は海運運賃引き下げ法案に署名しました。米国民が不当なコストを支払うことがないように、(外国)船社の運賃を監視することを目的としたものです。バイデン政権は足元の支持率が下がっており、11月の中間選挙に向けたアピールの側面も見え隠れします。

詳細については別記事にてまとめていますので是非こちらもご覧ください。

第1位:EU-ETSの海運業界含む改革案可決

EU-ETSの改革案について、6月はジェットコースターのように議論が動きました。6月8日に本法案は一度欧州議会で否決され、環境委員会へ差し戻されたものの、その後懸命な調整交渉もあり6月22日に再度欧州議会で議題として挙げられ承認されました。

これにより、外航海運版のEU-ETSが当初の見込み通り、2024年を目処に開始される見通しです。本法案は外航海運だけではなく、その他様々な業界や議題を含めた2030年までに排出量の55%を削減するという目標を達成するためのパッケージ「Fit for 55」の改革を可決したもので、その詳細についても別記事でまとめています。そちらも是非ご確認ください。

まとめ

さて、みなさんの2022年6月はいかがでしたでしょうか?海運業界において重要なニュースやイベントが多かった6月でした。足元の物流の混乱やインフレはまだまだ収まる気配はありません。変化の激しい日々の動向をキャッチアップしていきましょう。

Lanesではツイッターアカウントで日々の海運動向ニュースを取り上げています。是非こちらもフォローをお願いします。